婦人センターにて・・・IN HAKODATE
○○年○月○日
「明日、函館婦人センターで催し物があると言うんだけれど・・・一緒に行かない?」ヤエ
「はい!行きます!」私
次の日
函館婦人センター着
「函館婦人センター設立○○周年記念」
らしく・・・たくさんのご婦人達が忙しそうに、記念行事の支度をされていました。
川崎ヤエ先生は、91歳
係の方に案内され、着いたところが「川崎ヤエ講演会」という事だったのがその時、初めて知ったのでした。
「ありゃ?」私
5・60人の聴衆の方々と、行政のA助役始め6・7人のお偉い方々が壇上より左手に一列に並ばれておりました。(何だ・・・これは?)
・・・・・私の座る席もない・・・
ありゃりゃ
「あのね・・・あなた、A助役の前にお座りなさい!」ヤエ
(はーあ・・・それは・・・ないです!先生!)
「先生!・・・それは、出来ないですよ!そんなことできません!」私
先生はちょっとお茶目なお顔をされて「なんで?気にしないでお座りなさい。」ヤエ
「先生、それは堪忍してください!立場が違いますから・・・。」私
「そおおお・・・」ヤエ
先生はちょっと、がっかりした顔をされてそのまますぐ登壇されました。
私は、A助役の向い側の末席に椅子を用意していただき自席を得たのでした。
会場にいらしたご婦人達の嬉しそうな顔が並んでいました。
「川崎ヤエ氏」の言葉を一言も漏らすまいと、皆、瞳が輝き・・・ユーモアのある・・・女性たちの心をすぐつかむ類まれなヤエ流講話もあっという間に過ぎました。
最後の〆です。
「ここにいらしている、函館のご婦人の皆様。本日はこのようなおめでたい席に、もうこの世ではいらなくなったばあさんのお話を聞いてくださって本当にありがとうございます。
ここに、お集まりの皆様は、みな母であり、妻でありましょう!
この世で一番尊くて、すばらしいのは「妻」という社会的な役目でございます。
ご自分達の夫が何か悪い事をしようとしたら、しっかりと妻が止めると大人の男の方々は悪い事をしません。この世で一番立派な職業は
妻ですよ!!
私は、今までたくさん職業を持っていましたが、一番手に入れることが出来なかった職業が「妻」でした。
そして、皆さん・・・名刺にたくさんの肩書きがついている人に気をつけて下さい!!
悪い事をしますから!!」
と、A助役の方を向かれ15秒くらい全身全霊で「にらまれた」のです。
A助役の色白の肌が耳まで真っ赤になり、椅子の上で体を小刻みに振るわせていらっしゃいました。
(何だろう?どうしたのだろう?)
あっけにとられ、講演を終えて先生と食事をいただきその後、帰宅しました。
先生も普段とお変わりなく、車中はいつもの楽しい会話がはずんでおりました。
その数ヵ月後、そのにらまれた方は行政の不祥事を起こし何やかやと
大変なコトになったようです。
(川崎先生が、私を前に座らせようとした事、先生があの小さなお体で
ご婦人達がいらっしゃる中で「啖呵」をきられたのも・・・そういうことだったのか・・・とあとで知る事となりました。
91歳まで、道南の「情報の中枢」にかかわったお仕事をされた稀有な川崎ヤエ先生です。市民の税金の無駄遣いはいけない!国の税金をむやみに浪費してはいけない、まして市民の税金で食べているものは市民の模範であるべき・・・などなどのふつーの良識の持ち主なるが故一緒に仕事をしてきた方々へは、このような警告を発することもありました。・・・・今となれば、もっと早く忠告された方がご本人のために良かったかも・・・・・。」
忘れられない、
「川崎ヤエ、大切りの一本勝負」でありました。
*函館婦人センターの設立を呼びかけ、
その着工を実現させたのもヤエ氏でした。
川柳北海道女性史メモ散歩・北海道函館近代女性史を辿れば川崎ヤエ先生がいる散歩・川柳北海道こんな事書かれているとはヤエ先生も驚くかしら。川柳いけないことはいけないと言える時代がすばらしいとは先生の人生散歩・民主主義が欲しかったんだねヤエ先生。