オバマ大統領、対テロで改善策を発表
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【ワシントン=犬塚陽介】オバマ米大統領は7日、昨年末の米デルタ機爆破テロ未遂事件の最終的な調査報告書の一部公表後に会見し、米情報当局がテロの断片情報を軽視していた不手際を認め、テロ情報の迅速な伝達や航空機への搭乗拒否リストの拡充などを柱とする3点の改善策を発表した。大統領は「最終責任は私にある」と述べ、改善に向けた努力を徹底する姿勢を明らかにした。
大統領は記者会見で、情報当局がテロの断片情報や、実行犯のナイジェリア人、アブドルムタラブ容疑者(23)がイスラム過激主義に傾倒していたとの情報を入手しながら、複数の情報の関連づけを怠ったことから全体像が明らかにならず、今回の事件発生を許したと結論づけた。
改善策としてオバマ大統領は、(1)特定の情報当局者に優先度の高いテロ情報の追跡を主導させる(2)情報分析リポートの迅速かつ広範囲にわたる配布(3)テロリスト監視リストに追加認定する際の条件の緩和-の3点を関係10機関に指示した。
事件をめぐっては、要注意人物とされたアブドルムタラブ容疑者が搭乗拒否リストに不記載だったことなどが発覚し、責任者の辞任問題が取りざたされるなどオバマ政権のテロ対策に批判が高まっていた。
オバマ大統領はこうした責任の所在について、「国家と国民を守る重大な責任が大統領にはあり、システムが機能しなかったのは私の責任」と述べ、関係者の処分は行わない方針を明確にした。