(CNN) パウエル前米公務長官は19日、米大統領選で民主党のオバマ候補を支持すると表明した。オバマ氏の国民を鼓舞する能力や、あらゆる人々を取り込もうとする選挙運動を評価した。
パウエル氏はNBCテレビ「ミート・ザ・プレス」で、オバマ氏を「改革を生み出す人物であり、世界や米国の舞台に出て行く新世代」と称賛。パウエル氏はまた、共和党のマケイン候補が最近の選挙運動で、オバマ氏と1960年代の元過激派ビル・エアーズ氏を結び付けようとする中傷キャンペーンに転じたことについて「不適切。国民が求めているものではない」と憂慮を表明した。
パウエル氏は米陸軍大将から政治家に転じた共和党員で、大統領出馬の可能性を指摘されたこともある。パウエル氏は、共和党の方向性について「わたしが望む以上に右傾化している」と懸念を示した。
パウエル氏はまた、経済危機への対応が両候補にとって「最終試験」だと述べたうえで、マケイン氏にゆらぎが見られた一方、オバマ氏は安定感や知的好奇心、深い理解を示したとコメント。「(オバマ氏は)成功する大統領の基準を満たており、類いまれな大統領になる」と語った。
一方のオバマ氏は遊説先のノースカロライナ州フェイエットビルで、パウエル氏を「偉大な兵士で偉大な政治家であり、偉大な米国人」と称賛し、パウエル氏の支持に深い感謝を表明した。オバマ氏陣営の関係者によると、オバマ氏はこの日10分間パウエル氏と会話し、感謝を示すとともに、今後パウエル氏からの助言を生かしたい考えを明らかにしたという。
自身の立場をこれまで明確に示してこなかったパウエル氏だが、オバマ氏支持を表明するとの観測はここ数カ月流れていた。ただ、パウエル氏はオバマ氏の選挙運動に参加する予定はないとしている。