この男シリーズでは、よほどのことが無い限り、個人名で評論することは無かった。
公人であっても、個人を特定して批難したくはない。
今回は、特別である。
この男は、大学は一緒では無いが、信州人として、後輩に当たる。
大学時代は、当時はやりの、学生運動の闘士で、先鋭的なリーダーであったそうである。
卒業後は、真面目で、優秀な小説家に転じ、社会派作家として、多数の著作を残し、数々の賞を受賞している。
社会悪を追及して真相を解明してゆく筆致力に置いて、この男の右に出るものはおるまい。
特殊法人のムダを鋭く追及して、道路公団の民営化に果たした功績は高く評価される。
その後の、政治家としての活躍は、ここに、書くまでも無かろう。
最近の、彼のおかれた立場においても、皆さんの方が良くご存じのことである。
この男の、輝かしい業績をもってしても、国民にいだかれた疑問に答えることは難しかろう。
この男に言いたいことは、晩節(まだこの言葉を使うには早すぎるが)を汚すなかれである。