このシリーズでは、韓国の、歴史、文化、風俗などを紹介してきたが、この国を理解していただく
為には、どうしても、取り上げなければならないテーマがある。
しかしながら、mcnjには、それができなかった。
家族からも、きつく止められていた。
墓場まで持って行くつもりであったが、このままでは、どうしても、このシリーズが完結しない。
どうか、不快に思われる方は、パスしていただきたい。
もう、30年近く昔のことである。
会社が、韓国忠清北道青洲に、関連会社を作って進出した。
その時に、出向していた時のことである。
工場も順調に立ち上がって、商売が始まった。
営業が、大事な取引先を接待するので、付き合って欲しいと言う。
市内から少し外れた郊外の、日本で言えば、料亭の様なところに連れて行かれた。
韓国人が、もっとも好みとする、犬肉を食うのだと言う。
日本で言えば、松坂牛とでもいうのだろうか、最高の接待だそうだ。
俺は、食わないから、お前たちで接待しなさい、と言ったら、mcnjさんの分は別に用意しますと
のことであった。
それなら仕方なかろうと座ったら、目の前に、ケンタッキーフライドチキンが用意されていた。
家族が、韓国へ来た時のことである。
観光がてら、田舎の方を案内して、昼飯を食いに、とあるレストランに寄った。
娘たちが喜んで、その辺を歩き回って、裏の方へ行った時に、数匹の犬が、つながれていた。
彼女等らは、ワーッと歓声を上げて見に行った。丁度、日本で、2匹目の犬を飼い始めたころで
ある。よほど嬉しかったのであろう。
その時、よせばよいのに、mcnjが口走ってしまった。
この子達は、食べられてしまうのだよ。
娘達たちは、急に無口になり、涙ぐみながら向こうへ去って行った。
その日は、一日中、口をきいてもらえなかった。
mcnjがしばらく居を構えていた、ファゴク洞にある、犬肉屋である。
ファゴクポシンユク(ファ谷補身肉)と書いてある。
ソウルオリンピックまでは、表通りで、どうどうと、犬肉の看板を出して商売ができたが、
オリンピックを契機に、犬肉は表向き禁止され、表通りから姿を消してしまった。
名前も、補身湯(ポシンタン)、譲養湯(ヨンヤンタン)などに変えさせられた。
オリンピックが済んでも暫くはそのままであったが、次第に、復活してきている。
韓国人の犬肉好きは、今も変わらない。
仏教徒であろうが、クリスチャンであろうが、老若男女を問わず好きである。
これが、韓国の文化と言うものであろう。
日本の、鯨肉、イルカ肉と一緒である。
アメリカでは、ホームパーティーで人が集まると、始末したての、血のしたたる子羊の肉をかか
えながら、主婦が見せて回り、集まった客が歓声を上げると言う。
これも、国の文化と言うものであろう。