フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

写真、特に沖縄の・・・ カメラ、万年筆、腕時計など蒐集、修理復活などなど・・・写真と物の世界に嵌っています。

航海日誌

2016-09-29 00:10:00 | 日記

航海日誌(Journal)の書き方

 またまた唐突に、ブログのテーマとは関係のない航海日誌の話です。

 コロンブスの「ビーグル号航海記」やアメリカ捕鯨のドキュメントとも言えるメルヴィルの小説「白鯨」などを読んで、大航海時代からの帆船の航海がどのようなものだったのか、大変興味を持ちました。帆船という狭い閉鎖空間で、どのようにして秩序立った活動が維持されていたのか。その船での出来事を記録した航海日誌とは、いったいどのようなものなのか大変興味を惹かれた次第です。
 ちなみにその航海の究極の形は、国家の後ろ盾がない海賊でしょう。パイレーツオブカリビアンで、海賊船ブラック・パール号の船倉には大量の干し草と、それを食べる生きた羊が積み込まれています。ビタミン豊富な新鮮な肉を確保するためです。そこまで再現している・・・ただ面白いだけでなく時代考証に拘った完成度の高い映画です。
 その他、長期間の航海をする船には大量のビールが積み込まれています。もちろん水も積まれていますが、水は雑菌が繁殖しやすく比較的短期間で飲めなくなってしまったようです。それに対して、ビールは元々醗酵飲料なのでいつまでも腐らず水分補給のための飲料とされました。海賊がよくビールで乾杯しているのは、それがただ単に美味しいから飲んでいるのではなく、実は生きるための水分補給だったのです。生きるためにビールを飲まなければならない・・・、イイですねぇそんな生活、憧れますねぇ。

 と言う訳?で「英文航海日誌其他書方」(福田春吉著/海文堂)という本を手に入れました。

 昭和27年初版で、この本は昭和29年の再版です。当時の航海で航海日誌をつけるための実務の本です。豊富な文例が載せられています。
 航海日誌は船員法第18条によって、総トン数5トン以上の船舶に備えておかなければならないものだそうです。英語では航海日誌は"Journal"ではなく "logbook"、"ship's log"となっています。というか、もともと”logbook”を日本語に訳した時に、航海日誌になったということです。

 メルヴィルの「白鯨」にあるのですが、航海日誌をつけるるため出航時に大量の羽ペンとインクを持って行ったそうです。アメリカ捕鯨船は東海岸北部のニューヘブン、ナンタケットの捕鯨基地から航海に出ると、数年は戻らなかったようです。その間船長は日々羽ペンで、航海日誌をつけていたのでしょう。それが船長の重要な仕事だったのです。近代になって航海日誌は、航海士がつけるようになったのでしょう。(手書きなのでしょうか・・・?)

 人生とは正に、未知の大海原を自然の風に任せてハッキリしない目的地に向けて航海するようなものですから、日記ではなく日々の行動を日誌に記録しておくことは、それなりに意味があるようにも思うのですが・・・自分がこの世に生きた証として。ちょっと大げさですかね。

 そんな訳で、今までも日記なり日々の行動の記録は気が向いたときにノートにつけてはいたのですが、改めてこの本に則って航海日誌の記述法で毎日の生活、行動を記録していこうと思い立った次第です。さて、どれだけ続くことやら・・・

 航海日誌記載のときの注意事項として、次の項目があげられていました。

1. 主語を省略する。
2. 過去形で書く。
3. 記事の前には必ず時間を入れる。
4. ペン書きにする。(わざわざ「ペン書き」と書かれています。)
5. 誤記の訂正・削除は二本線で行い、語句を消し去ってはならない。
6. 記述にはパターンや略語がある。
etc.

などです。

 記載事項には、次の項目があります。それを普段の生活に読み替えて、

1. 出入港記事  /何処へ何の目的で行くのか。到着の記事
2. 機関の使用  /移動の手段(自動車、電車、徒歩・・・)
3. 変針     /行動の変更、行き先を替える、移動経路、乗り換え
4. 荷役     /準備、持ち物etc.
5. 船内作業   /行動、作業の状況
6. 操練     /生活、作業のレベルアップのための行為、行動
7. 事故     /トラブル
8. 4時間毎の天候、海象、ログ  /天候、気象、ログ
9. 時刻改正   /まあ・・・海外旅行の時の時刻変更ですかね。
10. 燃料・清水の補給  /車のガソリン補給、食事の事など。そして私の場合は特に、夏の沖縄旅行時の携行する水、サンピン茶の補給・・・
11. 毎時の針路、ログ(対水)とOG(対地)スピード  /進行方向、速度、徒歩ダラダラ歩き・・・
12. その他

と、まあこんなところですかね。でもこれを全て記録するとなると書くだけで他にはなにも出来なくなってしまいそうです。こんなに詳細に記録することは無理ですね大幅に省略しないと、Unnn・・・これだけで既に挫折しそうだ。

 

 今、日々の行動を記録しているノート(左)です。右の「ほぼ日手帳」を持ち歩いて、これにメモ書きをして、それを参照しながら毎日寝る前に万年筆(アウロラ)で付けています。「ほぼ日手帳」に都度メモ書き(カランダシュのボールペンで)をしていないと、その日の事なのに何をしたか、何を考えたか、何を思ったのか忘れてしまう。
 結局日誌といってもこの程度、今までと同じB6版ノート1ページに1日分の記録になりそうです。それで今あるこの赤い革カバーのノートを、改めて日誌として持ち歩いて記録することに決めました! できるだけ航海日誌の記録項目に合わせて。取りあえず・・・続くのかなぁ・・・

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする