絵唐津刷毛目の徳利
素朴な絵唐津の焼き物が好きで、もうすぐ田中酒造さんの新酒「君萬代」も出ることだし、それを飲むため徳利を手に入れました。同じ絵唐津のぐい飲みで頂こうかと・・・楽しい想像をしております。
素朴な鉄釉の草模様が、とても良い味を出してます。
三本線の窯印があります。
刷毛目の釉の雰囲気からは古いもののように見えますが、高台の具合からして新しいものです。
古い徳利だと直接湯せんで燗をつけると割れそうなので、アルミ製の銚子(チロリ)を使うことにしています。まあこのような絵付がされている陶器の徳利は、直接湯に浸けたりはしませんけれど。磁器で焼かれたシンプルな細長い徳利は、家だとヤカンなどに沸かした湯に直接入れて温めます。
この徳利は2合入ります。チロリも上の線まで入れると、ちょうど2合です。錫ではなくアルミ製というところが居酒屋さん風で、気に入っています。
徳利を使うのが面倒な時、まあ早く飲みたい時ということですが、手っ取り早くチロリからそのままぐい飲みに注いで飲んでます。ちょっと冷めやすいですが。
ちなみにここで注いだ酒は、君萬代の新酒がまだなので、燗酒にとても合う辛口、秋田の「高清水」です。
いわゆる徳利は、茶懐石の時にもお酒がでるのですが、まず亭主が燗鍋(銚子、お酒を入れて直接温める急須のようなもの)で客に注いで回ります。その後お酒を徳利に入れて客に渡します。それを「おあずけ徳利」と言います。茶懐石をいただく侘茶を確立したのは千利休ですので、既にその頃には徳利が使われていたわけです。
お茶は鎌倉時代に僧侶の栄西が中国から持ち込んだ物で、その後いわゆる侘茶は室町時代の村田珠光から始まっています。徳利もその頃から使われていたのかもしれません。それ以前の鎌倉時代までは、お酒はお神酒などを入れる「瓶子」を使ったいたのだと思います。
徳利の話しで、思わぬ方向に行ってしまいました。
古い徳利と言っても、現代に残っているものはほとんど江戸期以降のものだと思います。でもその徳利で燗酒を頂くと、それを使った昔の人と一緒にお酒を飲んでいるようで、何かとても楽しい気分になるのです。古い陶器を使うことの、楽しみですね。
ちなみに燗酒は江戸時代から始まった飲み方で、お酒を温めるというのは日本独特のものです。ヨーロッパにもホットワインの飲み方がありますが、ポピュラーではありません。
燗酒は適度にアルコール分をとばして体温にもなじむ、体にやさしいお酒の飲み方です。しかし、まあそれで飲み過ぎても困りますが・・・
只の飲兵衛の、言い訳なってしまって・・・すみません。
------- -------
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます