暴力団壊滅の新作戦

日本損害保険協会に加盟し、自動車保険を扱う損保17社。
その多くの損保会社が、暴力団排除作戦を展開中・・・。
背景には、同協会が全国的な流れを受けてモデル約款を策定。

加盟各社に、この約款を採り入れるよう勧めた・・・。
それを受けて各社とも、暴力団排除という条項を約款に盛り込む。
そんな動きが、俄然広がっているらしい。

組員と分かれば、その時点で契約を解除するという強硬策。
その一方では、こんな問題点も浮上。
任意保険に入らず、車を運転する組員が事故を起こした場合。
被害者の補償をどうするか、ということ・・・。

某保険会社の社員いわく・・・。
事故時に契約相手が反社会的勢力と分かっても・・・。
約款にない以上、保険金を支払わざるを得なかった。

確かに、保険金目当ての詐欺事件も横行している。
しかし悪さをするのは、暴力団員に限らない・・・。
それなのに、暴力団員を排除するというおかしなロジック。

損保会社には、多くの警察ＯＢが天下り就職をしている。
そんな実態を考えれば、損保協会独自の約款変更？
警察庁のプッシュはなかったのか、と勘ぐりたくもなる・・・。
もし、警察キャリア官僚の考えたアイデアなら表彰ものである。

そもそも自動車保険は、交通事故の被害者を救済する保険。
それを暴力団員というレッテルで、契約を拒む乱暴さ。
保険の目的と暴力団排除の目的を混同していないだろうか。

秘密保護法成立に熱くなる美しい国のことだから・・・。
そのうちに、暴力団員は自動車運転免許の取得・更新はできない。
そんな乱暴な法律が、でき上がるかも知れない・・・。

自爆営業が常態化しているとも言われる損保。
法令を順守できない企業が、暴力団壊滅作戦に参画し・・・。
熱くなっている景色は、何か？？？である。

順序を間違えていまいか？そう思えてならない・・・。