私は2009年の末に本をだしたのですが、この時期の出版になったことにも事情があります。
本当は10月の予定だったのです。
だから5月末までに原稿を仕上げてあとは、軽く直して、カバーイラストを作って、という話を聞いていた。
6月だったか7月だったか記憶が曖昧だが、編集者が突然、メールで言い出します。
ヒロインの座っている椅子は、何故、黒なのか。
設定が、おんぼろビルに豪華な家具が入っている事務所となっているのです。それで椅子が黒と書いていたのです。
何故、そこ?
まさか、椅子の色が黒なのが問題になるとは思ってもいなかった。
もちろん理由はあるのです。それを説明して
「でも私が書くんなら、赤でもいいってことですよね」
とこれが、余計なことを自ら答えてしまうのです。
そしたら
「赤にしてください」
と返答がきた。
今から~~?
作品が全部できてから~~?
ありえないーーーいと思ったんだけど、やるわけです。
戯曲を書く勉強をしているせいもあって、直せと言われれば直して当たり前という気持ちがあるのですね。
でもまさか、椅子の色を指摘されるとは思ってなかった。
ネットで家具など見ながら考えてます
とメールで書くと
こういうのもあります
と資料を送っていらっしゃる。とても速い。
そこまでして直させたいかと思うのだが、直すと言った以上、気持ちが動揺しながらも直す。
言ってはいたのです。単に紙の上で色を「黒」から「赤」に変えればいいってもんじゃない。前後の内容も変えないと変えることはできませんよ。
それでもいいようです。
簡単に直すと言った私も、まるで弱みがなかったわけではない。だからわりと簡単に受け入れてしまった。
「熱海殺人事件」という芝居をご存知でしょうか。
つか先生が書いたものです。過去いろいろなバージョンで長い間上演されています。
演じた役者さんもそうそうたるもので、古くは風間杜夫さん、阿部寛さん、石原良純さん、映画版では中代達矢さんも演じていらっしゃいます。
そのほかにも数えたらきりがないほどの役者さんが演じています。
簡単に内容を説明すると
警視庁の捜査室の中で、不細工な女工を絞殺した幼馴染の男を、お前それじゃ恥ずかしくないのかと、刑事たちによって13階階段を上るまでの立派な殺人者に仕立て上げれていくというストーリーです。
その主人公の木村伝兵衛が座っているのが、豪華なテーブルに椅子というセットなのです。
もちろん、椅子の色は黒です。
おわかりいただけましたか。これの影響が大だったのです。
でも私の中でつかさんの影響というのは否定しがたく絶対であったのです。だからもう刷り込み現象のように豪華な机と椅子というと伝兵衛セットが出てきちゃうのです。
もう無意識で出ているといってもいいくらい、すりこまれているのです。
だから私としても言われた時に「私が書くなら…」となってしまったのです。
しかしね、それでも、変える、すでに出来上がってしまっている話の椅子の色を変えるというのは簡単なもんじゃないのです。
私の想像力が貧困と言ってしまえば簡単ですが、やはり師への尊敬有らばこそ出てきている所もありますからね。
難しいのです。
それでも変えました。
私の話ですから。
でもこの「椅子」については長い間遺恨が残ったようで、なるたけピリピリしないようにしていたのですが、どうもこのあとも「椅子」の話が出ると、ピリッとしてしまっていました。
今はもう納得してますけどね。
ここが大きな分岐点になりました。
だからもしかしたら、ここで編集者に感謝すべきなのかもしれません。
日が経つにつれ、そう思います。
でもこれで10月に出るものが12月に変わったわけではありません。
もう1回8月に変えませんかという箇所が出てきて、それに1番時間がかかってます。それと前後してラストのあたりも変えないかという話も出てきます。
なんとなくぼかした、今風と言えば今風の終わり方をしていたのですが、はっきりさせた方が読者ももやもやしないから読後がすっきりするのではないか。
そんなことを説明された気がします。
読者のために書いてもらえませんか。
そうしたら作品の質がもう1段階上がります。
そう言われて、じゃ、上げましょうと直すわけです。
そして当初の予定より70枚原稿が増えたわけです。
もう中編の話を1本書いたようなものです。
お客さんが手に取りやすいなら、200ページくらいがいいだろうと最初言われていました。行や文字の数の組み方を変えをしても70枚増えるとまずいわけです。
どうしますか?
きかれましたので
削ります
と答えました。
この作業をするのに2か月ずれた、ということです。
でもこの頃の5月以降これだけの原稿を書くというのはいろいろ計画が狂うことでした。
「まやかし嬢」という話を考えるなら、これでよかったのですが、私の予定としては、
ど~したらいいの~~というくらい狂いました。
もう5月過ぎたら書かなくていいって言ったじゃない。
そう言いたいくらい、事情が変わったのです。
本当は10月の予定だったのです。
だから5月末までに原稿を仕上げてあとは、軽く直して、カバーイラストを作って、という話を聞いていた。
6月だったか7月だったか記憶が曖昧だが、編集者が突然、メールで言い出します。
ヒロインの座っている椅子は、何故、黒なのか。
設定が、おんぼろビルに豪華な家具が入っている事務所となっているのです。それで椅子が黒と書いていたのです。
何故、そこ?
まさか、椅子の色が黒なのが問題になるとは思ってもいなかった。
もちろん理由はあるのです。それを説明して
「でも私が書くんなら、赤でもいいってことですよね」
とこれが、余計なことを自ら答えてしまうのです。
そしたら
「赤にしてください」
と返答がきた。
今から~~?
作品が全部できてから~~?
ありえないーーーいと思ったんだけど、やるわけです。
戯曲を書く勉強をしているせいもあって、直せと言われれば直して当たり前という気持ちがあるのですね。
でもまさか、椅子の色を指摘されるとは思ってなかった。
ネットで家具など見ながら考えてます
とメールで書くと
こういうのもあります
と資料を送っていらっしゃる。とても速い。
そこまでして直させたいかと思うのだが、直すと言った以上、気持ちが動揺しながらも直す。
言ってはいたのです。単に紙の上で色を「黒」から「赤」に変えればいいってもんじゃない。前後の内容も変えないと変えることはできませんよ。
それでもいいようです。
簡単に直すと言った私も、まるで弱みがなかったわけではない。だからわりと簡単に受け入れてしまった。
「熱海殺人事件」という芝居をご存知でしょうか。
つか先生が書いたものです。過去いろいろなバージョンで長い間上演されています。
演じた役者さんもそうそうたるもので、古くは風間杜夫さん、阿部寛さん、石原良純さん、映画版では中代達矢さんも演じていらっしゃいます。
そのほかにも数えたらきりがないほどの役者さんが演じています。
簡単に内容を説明すると
警視庁の捜査室の中で、不細工な女工を絞殺した幼馴染の男を、お前それじゃ恥ずかしくないのかと、刑事たちによって13階階段を上るまでの立派な殺人者に仕立て上げれていくというストーリーです。
その主人公の木村伝兵衛が座っているのが、豪華なテーブルに椅子というセットなのです。
もちろん、椅子の色は黒です。
おわかりいただけましたか。これの影響が大だったのです。
でも私の中でつかさんの影響というのは否定しがたく絶対であったのです。だからもう刷り込み現象のように豪華な机と椅子というと伝兵衛セットが出てきちゃうのです。
もう無意識で出ているといってもいいくらい、すりこまれているのです。
だから私としても言われた時に「私が書くなら…」となってしまったのです。
しかしね、それでも、変える、すでに出来上がってしまっている話の椅子の色を変えるというのは簡単なもんじゃないのです。
私の想像力が貧困と言ってしまえば簡単ですが、やはり師への尊敬有らばこそ出てきている所もありますからね。
難しいのです。
それでも変えました。
私の話ですから。
でもこの「椅子」については長い間遺恨が残ったようで、なるたけピリピリしないようにしていたのですが、どうもこのあとも「椅子」の話が出ると、ピリッとしてしまっていました。
今はもう納得してますけどね。
ここが大きな分岐点になりました。
だからもしかしたら、ここで編集者に感謝すべきなのかもしれません。
日が経つにつれ、そう思います。
でもこれで10月に出るものが12月に変わったわけではありません。
もう1回8月に変えませんかという箇所が出てきて、それに1番時間がかかってます。それと前後してラストのあたりも変えないかという話も出てきます。
なんとなくぼかした、今風と言えば今風の終わり方をしていたのですが、はっきりさせた方が読者ももやもやしないから読後がすっきりするのではないか。
そんなことを説明された気がします。
読者のために書いてもらえませんか。
そうしたら作品の質がもう1段階上がります。
そう言われて、じゃ、上げましょうと直すわけです。
そして当初の予定より70枚原稿が増えたわけです。
もう中編の話を1本書いたようなものです。
お客さんが手に取りやすいなら、200ページくらいがいいだろうと最初言われていました。行や文字の数の組み方を変えをしても70枚増えるとまずいわけです。
どうしますか?
きかれましたので
削ります
と答えました。
この作業をするのに2か月ずれた、ということです。
でもこの頃の5月以降これだけの原稿を書くというのはいろいろ計画が狂うことでした。
「まやかし嬢」という話を考えるなら、これでよかったのですが、私の予定としては、
ど~したらいいの~~というくらい狂いました。
もう5月過ぎたら書かなくていいって言ったじゃない。
そう言いたいくらい、事情が変わったのです。