明治座で公演された黒木メイサさん主演の「あずみ」の舞台版のプレ稽古参加させてもらったことがあります。
プレ稽古って言うのは、ちゃんとした役者さんが入る前に、本当に仮の稽古で台本を作り上げていく作業になります。この時は北区の役者さんも代理で参加させてもらっていたので、ここで力を見せれば、キャスティグのチャンスがあるかもしれない、そんな状態です。
参加していい日を数日設けてもらって私は初日に参加したんです。椅子に座って大人しく見てるだけですね。
もうこそっと行ってこそっと帰れの世界です。
役者はとりあえず今できてる台本を渡されてるわけだけど、私たちは、全くもらっていない。それどころか私は漫画も、先に映画化された「あずみ」を知らない。
何をやってるのか内容がまるで判らない。
うーん、と見て帰ってきただけです。
そのあと困ったのが、この後に見学に行く人から様子はどうだった?何人くらいいた?と聞かれたことかな。
要は差し入れをしたいんですね。
行けば分かるけどさ。本来なら私らが行ける所じゃないわけ。好意で参加させていただいてるわけ。もうこそっと行ってこそっと帰れの世界なの。
差し入れなんて話は、あっちとしては面倒なわけさ。
でも持って行かないと行きづらい人もいるっていうのは判るから、まあ、何人いたよとだけ報告してあげたんだけど、やめといた方がいいよーって感じはした。
持ってこられる方も負担ってこともあるしね。
この時役者の間で静止画を作る練習をしたらしんですね。
複数の役者が入って、例えば野良仕事をしてる風景を、1枚の絵に作れとかね。
この後、劇作家コースでも、これをよくやらされたもんだった。
酒場で喧嘩が始まったシーンとか、優雅に踊っているシーンを1枚の絵に作れとかね。
それを四分割して見せろとかね。(4つのシーンで1つの芝居を理解させるってことです)
みんな微妙にこうした方がいいとかああした方がいいと言いだすと、まあ、強いもんの意見が通るという…。ここら辺は戦いですわね。
これもいい経験でした。
血肉になっているかは謎ですが。