「大阪水曜ほっと集談会」公式ブログ

1月15日(水)14時~・1月21日(火)20時~(ZOOM)にてリモート集談会&新年会を開催します

ネガティブ・ケイパビリティを生きる!

2024年10月23日 08時48分34秒 | コラム 



大阪水曜ほっと集談会一世です。

昨日の朝刊でIT先進国のスウェーデンがタブレットに代表されるデジタル端末を使用した教育から紙とペンに回帰した教育方針に転換するという。

理由は学力の低下にあるらしい。

昭和の時代に小学校や中学校に通った私は、わからないことがあると辞書や地図を手に悪戦苦闘していた。

知らず知らずのうちに漢字を学び自分で考える癖がついた。

面倒で時間も掛かったがその分学んだことは今でも忘れない。

最近わかったが、非効率で、貧しい生活により知らず知らずのうちにネガティブ・ケイパビリティが養われたと思う。

ネガティブ・ケイパビリティとは、性急な証明や理由を求めがちな現代人に対して、分からないことを分からないまま、宙ぶらりんの状態で受け入れ、耐え抜く能力を指すらしい。

私が自助グループに初めて参加した45年前は森田関連の図書も少なかった。

もちろんパソコンもスマホもなくYouTubeもネット検索もできない時代である。

図書館や本屋さんそして新聞が唯一の情報源であったような気がする。

ようやく探し当てた森田博士や水谷啓二先生の言葉の一言、一言が脳に染みこむような感覚であった。

あの時代に戻ることは出来ないが、症状という非効率の中に身を置くことは、決して無駄ではないと思う。

但し期限付きで有ることが望ましい

私たちは、ネガティブ・ケイパビリティを内包しているといえないだろうか。

森田を習うとは、ネガティブ・ケイパビリティを生きるという事ではないか?

私は二人の娘からネガティブ・ケイパビリティを学んだ。

思春期の彼女たちの壁であり、今風にいえばフルボッコ状態であった。

そんな二人の娘も独立し、ジイジの称号を貰った。

会社での肩書きより自慢できる日々である。



2024/10/23 一世







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治すことを忘れる!

2024年10月21日 07時24分08秒 | コラム 


大阪水曜ほっと集談会一世です。

最近物忘れがひどい。

忘れないようにメモをしていた手帳も、無くしてしまう。

以前はそんな自分が嫌で嫌で仕方がなかった。

今は忘れることがありがたいと思うことがある。

長いサラリーマン生活で馬鹿な上司に言われた心ない言葉や配偶者や娘から責められた言葉が心の片隅から離れなかった。

いつも最前線で盾にされてきた感がある。

憎しみや怒りの感情を持ち続けることは精神衛生上よくない。

還暦以降そのような嫌な思い出もいつの間にか忘れている自分がいる。

さて、初めて私たちの自助グループに参加された方が神経質な性格を変えたい、神経質による症状を克服したいと思われるのは人情である。

ところが森田療法の学びを進めていくと実はこれは変えうるものでも克服するものでもなかったということがわかってくる。

次第に症状を取り去るエネルギーを目の前の家事や仕事や趣味に活かすようになってくる。

結果として日々やるべきことに集中している自分を発見する。

いつの間にか症状を忘れてしまっている。

願わくば、怒りの形相の配偶者の顔も永遠に忘れたい。



※今日の森田博士の言葉

不眠でも、赤面恐怖でも、なんでもこれを治そうと思う間はどうしても治らぬ。

治すことを断念し治すことを忘れたら治る。

これは私は思想の矛盾として説明してあることは、

皆さんのご承知のとおりです。

たとえば、岸辺の景色が(思想・観念という)水面に影を映すようなもので、観念の水がなければ、影という余計な物がなくて、ただ景色そのままの事実があるのみであります。

観念があるために余計な邪魔になるのである。


2024/10/21 一世



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返品のきかない人生!

2024年10月19日 07時47分17秒 | コラム 



大阪水曜ほっと集談会一世です。

先日メタボ対策のため安い給料の中から思い切って新しいスニーカーを買った。

以前と同じメーカーで同じサイズを選んだつもりで、特に履くこともなく買った。

ところが足が痛くて痛くて入らない。

翌日レシートを持って返品に行ったが断られた。

その白いスニーカーを飾りながら神経質が足りなかったと、このブログを書いている。

スニーカーは飾るものではなく履くものである。

ああ損したと貧乏人の私はとても落ち込んだ。

しかしふと人生も同じかもしれないと思い気を取り直した。

私たちのこの神経質という気質も返品はきかない。

しかしどうすればこれをうまく活用できるか工夫することはできる。

結局私より足のサイズの小さい父にスニーカーを進呈 することにした。

ああそういえば配偶者も返品がきかない。

返品をすれば大きな代償が待っている。

娘や孫はセットで配偶者につくだろう!

おそらく相手も同様のことを考えているのではないだろうか?

返品どころか粗大ごみに出されそうな雰囲気です。

そう思うと少し笑ってしまった。

今から嫌々仕事である。

この週末はプレッシャーのかかる仕事が多い。

あるがままあるがままと、唱えながら嫌々仕事に行くことにした。

※今日の森田博士の言葉

僕の神経質療法は、神経質の気質の特徴を発揮するのが主眼であって、

その原因たる第一印象を取り除くとか、劣等感をなくするとかではなく、

むしろその劣等感を徹底し発揮するにある。



2024/10/19 一世

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ハマちゃんとスーさんと森田の平等観!

2024年10月18日 07時52分41秒 | コラム 


大阪水曜ほっと集談会一世です。

映画「釣りバカ日誌」のハマちゃんこと、西田敏行さんが急逝された。

とても好きな映画だっただけに残念で仕方がない。

この物語をご存知でない方もおられるので簡単に紹介したい。

浜ちゃんは私と同じポンコツ平サラリーマンである。

自分の会社の社長にも会ったことがない。

たまたま出会ったスーさんという初老の人物に食堂で魚の食べ方を丁寧に教えたことから親しくなり魚釣りに行くことになった。

実はスーさんは浜ちゃんの勤めるゼネコン会社の社長であった。

そこから物語は奇想天外に進行していく。

この映画からなにかしら森田療法で学んだ平等観を感じた。

肩書きがあるのが偉いのか?

所詮小賢しい人間が編みだした物ではないか?

普段名刺をうやうやしく受け取るふりをして、ヒネクレ者の私は、心でつぶやいている。

ちなみに私は肩書きがないが、仕事柄、企業や組織の偉い人に会うことが多い。

名刺をひっくかえして見られたことがある。(笑)

ハマちゃんは、会社ではスーさんの部下のひとりであるが、釣りにおいては師匠である。

私も社長が落ち込んだら森田療法を教えてやりたい。

現実にはあり得ないが、痛快な発想ではないか!

※今日の森田の言葉

れわれは自分自身の正しい自覚ができるときには、

そこに正しい事実を認識するのであるから、

これは人間共通の真理であり、

自分の病的あるいは特殊な心理でないということを知り、

すなわち自分の心の内に、人間を共通に見るところの平等観というものが成立する。

自助グループに肩書きを持ち込むオッサン(時々オバサン)は本当の意味で治っていないことを最後に書き添えておく。




2024/10/18 一世


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疑いは我であり、まかせるのは理知!

2024年10月17日 09時05分28秒 | コラム 


大阪水曜ほっと集談会一世です。

疑いは我であり、まかせるのは理知!

今日のタイトルは森田博士からいただいた。

昨日は集談会であった。

いつもいろいろな気づきがある。

素直な人は立ち直りも早いし、自助グループでも好かれる。

それはとても喜ばしいことではあるが全ての人がそうではない。

私のように還暦まで我を張り続け心身が弱りようやく肩の力が抜けた人間もいる。

最近私はこう思っている。

誰もが自分は素直に振る舞いたいが、遺伝的な気質や過去のトラウマなどそうさせない何かがその人の中にあるのだろう。

行動のみでジャッジするのではなく、その人の見えない背景を想像する力を養いたい。

そこに少しでも焦点を当てなければいつまでたってもお互いの共感は得られないような気がする。

※今日の森田博士の言葉


そして疑いながら森田のいうとおりに実行する。

そのように疑いながら実行するのを私は従順といっています。

疑いは我であり、まかせるの理知であります。

この疑いと理知との対立がますます大きく、その間の争闘のますます盛んなのが、「大きな従順」であります。

疑うことなしに森田にまかせるのは盲従であり、迷信でありまして、新興宗教や素人療法のご利益を信ずるのと変りはありません。

疑いは我であり、まかせるのは理知、まかせきれないのも私、そう感じた一世です。


2024/10/17 一世

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