Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

帝王切開

2006-09-18 | 想い・雑感
 赤ちゃんはお母さんの産道を通って外の世界へやってくるのが正常なお産ですね。でも通常分娩では危険と判断されたときには、母体のお腹を切り、さらに子宮を切って胎児を取り出すことがある。これを帝王切開といいます。

 はじめて帝王切開という言葉を聞いたとき、「何で帝王なの?」と思った。カエサル(シーザー)がこの方法で生まれたからとまことしやかに言われていたが、どうも腑に落ちない。

 滅菌法が開発され、抗生物質が発見された20世紀ならいざ知らず、それ以前は外科的処置がなされれば、多くは傷が化膿し、敗血症で死んでいたはず。帝王切開は19世紀にヨーロッパである程度行われていたようだが、その母体の死亡率は8割を超えていたという。シーザーの時代にそんなことすれば、出産後に間違いなく母親は死んでいたはずであるし、実際にシーザーが帝王切開で生まれたという史実はないようである。

 日本語は、ドイツ語のKaiserschnittから訳されたようだが、その語源となるラテン語の切るという単語の一つの発音がカエサルに似ていたため間違って後世に伝わったらしい。

 日本での出産で、この帝王切開の割合が増えてきているらしい。高齢出産が増えていることや、出産にまつわる訴訟増加などが原因とのことだが、6~7人に一人の割合にもなるらしい。アメリカでは4人に一人くらいの割合とのことだからそれよりは少ないが、それでも尋常ではないような気がする。

剖検

2006-09-18 | 医療・病気・いのち
 病院で亡くなる方の多くは、病を得て、その病勢が進行して死に至る。…ように見える。

 高齢となり、徐々に食も細くなり自然と命を閉じた様な場合には、天寿を全うした。…ようにみえる。

 しかし、すべてがそうであろうか。

 天寿を全うしたように見える方の中には、実は癌のためになくなった方もいるだろう。癌で亡くなったように見える方の中には、じつは肺炎、栄養不良、心筋梗塞などで亡くなった方もいるであろう。

 亡くなってしまった後で、その原因を知ったところで、生き返るわけではないが、残された者の中には原因を知ることによって気持ちが収まる人もいるであろう。

 死因を知る有効な手段の一つが、剖検である。剖検は、生前に本人の意志表明がなされていたり、死後に家族の了承が得られれば行うことが出来る。解剖し臓器を取り出し、詳細に顕微鏡で検査することにより、原因を探るのである。

 家族にとっては遺体を傷つけられるという思いが強いかもしれないが、死因を知りたいのであれば、知っておいて良い手段だと思う。多くの総合病院は剖検が出来るようになっているはずである。ただ多くの場合病理学の先生がしてくださるわけだが、病院に常に病理の先生がいるとは限らず、その場合は近くの大学などから病理の先生に来てもらうことになる。

 時には、死因には直接関係はなくとも、癌が見つかることもある。
 
 検査を行うために臓器を取り出した後には、綿などをつめて、皮膚をきれいに閉じる。通常の御遺体と違い、綿が詰まっているため、火葬場の人に剖検をした旨を伝えておかないと、焼けすぎることは知っておく必要がある。

アドレナリンの嵐

2006-09-18 | 想い・雑感
 身の回りから草の生える野原が消えてしまい、野分けという言葉は死語になってしまったのでしょうが、台風は人間の生活に大きく分け入ってくる存在です。今回の台風13号も、各地で爪痕を残していったようです。

 もともと自然の前には小さな存在でしかないのに大きな顔をしている小賢しい人間に、台風は自然の威力を見せつける存在の一つですね。衛星写真などで、九州全域を、時には日本の半分くらいを覆い尽くす雲の存在を突きつけられると、人間の小ささに気づかざるをえません。

 台風の激甚なるエネルギーと比較すると、取るに足らないものかもしれませんが、人間の心の中にも嵐がおこることがありますよね。例えば怒りという嵐。自然の大きさの前には小さいものなのだが、怒っているときには小さなものとは思えずに、思考のほとんどが怒りの対象に向いてしまう。

 出来ることなら怒りという嵐に振り回されないように、小さい自分の心くらいもう少し上手にコントロール出来るといいなあと思います。怒りからアドレナリンの嵐が体中に吹き荒れ、血圧は上がり、心拍数は増え、呼吸も速くなる。そんな状態にいつも身を晒している生き方をすれば、当然体の傷みも進むでしょう。

 そうならないため、自分の身を守るために、お互い心を鎮める方法を自分なりに身につけたいものですね。