Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

ロウソクの科学

2009-01-11 | 想い・雑感


昔はろうそくが今より身近で
電線が切れて停電などということは珍しくなかったので
年に何回かはお世話になった
特に台風の時などは停電で真っ暗になった家の中をほのかに照らし
吹きすさぶ風の音
打ち付ける雨の音
を聞きながらも励まされたものである

いまでは随分インフラが整備され
そうそうは停電を経験しないし
ランタン型の電池式電灯などもあるのでろうそくの出番は少なくなったが

仏壇に供えられ
洒落たレストランで恋人たちを照らし
クリスマスに聖夜を演出し
精霊流しで故人をしのぶ想いを高める

今はどうか知らないが
ファラデーの「ろうそくの科学」は必読の書とされており
私も中学生のころ岩波新書を買い求め読んだ記憶がある
そこではろうそくの身の上話として
広く科学が物語のように語られるわけだが
内容はほとんど忘れてしまった

その時本に触発され
ロウソクをじっと眺めていたことがあった
ほんの内容を反芻したりするつもりが
揺れる炎をただ見つめて時間が過ぎた
炎の揺らぎには人の心に訴えかける何かがあるのだろう

燃えるに従い次第に短くなり
燃え尽きる直前には
一度ぐっと炎の勢いが強くなる様は
人の命にもなぞらえられる

実際患いの後亡くなられる数日前に
妙に元気な時があることはしばしば経験する
そしてスーッと遠くへ旅立つ