暗くなれば灯りを点ける
それが当たり前の生活をしていると
蛍雪の功
などという言葉も死語になっている
今も 蛍雪時代 という雑誌はあるのだろうか?
悩み深く
心がさ迷い歩く状態の中
ほんの少し展望が開けたとき
一筋の光が見えた
などと形容する
光というのは
人に安らぎと希望をもたらすもの
太平洋戦争末期には
その光を
国民はしばしば奪われたらしい
灯火管制である
敵機から光が視認され攻撃目標とされないことを目的としていたらしいが
なんと閉塞した日常であったことだろう
それも一日や二日のことでなく
灯りを制限した夜が日常であったと亡き両親からしばしば聞いた
灯りを消したところで
米軍機はすでに攻撃目標を決めて飛び立っていたはずであり
あまり意味があったとは思えない
あるとしたら日本軍部が国民に灯りを消すという行動を強制することにより
まとめ上げる 統制する
という意味合いのほうが強かったような気がする
そのような時代 日常 に帰るようなことは
決してないことを願う
話はずれるが
末期がんの患者さんは
次第に自分がやりたいことを
一つ一つ諦め 失っていく
そのような状況の中で
医療者が無意味な我慢 統制 を強いるようなことがあってはならない
光を奪ってはならない
と思う
形の違う 灯火管制を強いてはいけないのである