Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

手をつくした後

2009-10-14 | 想い・雑感

胃癌術後に
腫瘍マーカーが正常値まで下がりきらないまま再上昇してきたため
抗がん剤治療を開始したMさん
画像検査ではどこに癌が隠れているのかわからないのだが
腫瘍マーカーの動きを見つつ
薬の内容を変えて治療を続け すでに2年を越えている

抗がん剤を使い始めて2年以上存命であることなど
10年以上前ならなかなか考えられないことであったが
随分抗がん剤治療も進歩したと思う

しかもMさんはこれまで当たり前に仕事をこなしてきている
副作用もそれほどなく
時間はとられるものの 治療による苦しみはほとんど無いようだ

胃癌の治療として
抗がん剤治療をはなから拒否する方もおられるようだが
治療をやめるのは
効果と副作用の程度を見てからでも遅くない
ぜひ一度はチャレンジしてもらいたい

ただしMさんもかなり難しい段階になってきた
手を変え品を変え治療を行ってきたが
いよいよマーカーの上昇を抑えきれなくなってきた

マーカーがどんどんあがりつつも
はっきりとした再発巣が画像でわからない場合
ほとんどが腹膜播種である

まったく通常の生活をしているMさん
マーカーが驚くほど上昇してくる頃に
急に全身状態が悪化していく可能性が高い
全てをお話しつつ治療をしてきているだけに
そうなったときにはご本人の気持ちはどこまでも沈むだろうし
私も お話しするのがつらくなる
当然最善と思えることはやっていくのだが・・・

そしてどんなに治療法が進歩しても
永遠の命を手にできるわけではない
という当然のことに思い当たる
必ず最後の日がやってくるという自明のことを思い知らされる