Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

漢方

2007-05-08 | 医療・病気・いのち
 大学では西洋医学しか学んでいないが、漢方にも興味がある。以前医局からの派遣で田舎の病院に勤務した事がある。それほど手術があるわけでもないので少し東洋医学のことを勉強した。その世界観は、新鮮に映った。漢方薬の本を読んだり、セミナーに参加したりした。ついでに針を購入し、自分や家族にうってみたりもした。

 勉強したあとから、実際に漢方薬を時々処方するようになった。それほど多くの種類をつかうわけではないし、使うとしても顆粒製剤なので本格的漢方とは大きな隔たりがある。しかし、検査ではっきりとした原因は特定できない症状がある場合。体の調子を整えるという意味で、非常に効果を発揮することがある。西洋医薬にはない薬の使い方だ。使用したことがない人には意外かもしれないが、極めて切れ味良く効くこともある。お陰で、診療の幅がぐっと広がったように思う。

 どんなことでもそうだが、何かを認識するときには、対象にぐっと近づいた視点と、すうっと引いて全体をあるいは周囲との関係を俯瞰する視点が必要だと思う。その意味で、少し乱暴な分類だが、西洋医学は前者にウェイトがかかりやはり分析の方向へのベクトルが強いように思う。一方漢方医学は後者で体を全体としてとらえる医療体系だと思う。

 少し、漢方をかじったお陰で、診察の際に体全体を感じるようになった。全体から局所、分析から統合と言うように、自由に視点を変えられるようになるのが私の理想だ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。