胃癌の治療方針は、病気の進行度によって大きく異なります。ですから、胃癌と言われたら、組織検査で実際にがん細胞を認めたことを確認した上で、どの程度の進行度で、どのような治療方法が選択できるのかを尋ねる必要があります。▼ 必ず聞く必要があるのは、以下の5項目です。1:胃の壁のどの深さまで胃癌が存在するのか(早期癌か進行癌か)。2:リンパ節転移はあるのか。3:血行性転移(肝臓、肺、その他への転移)は認められないのか。4:腹腔内へ散らばっていないのか。5:総合的に進行度はどれくらいで、どのような治療方法が選択できるのか。▼早期であるほどに体にかかる負担が少ない治療方法を選択できるでしょう。ごく早期であれば、内視鏡による治療が可能です。早期でもすこし胃の壁の深くまで癌が浸潤していれば、手術になりますが、少し控えめな手術が可能です。逆に転移があるような場合は手術を選択できずに、抗がん剤治療などが必要となってきます。▼手術となった場合、10年位前から腹腔鏡を用いて、小さな傷で行う手術を行うことがあります。どの程度の進行度まで腹腔鏡を利用するかは施設により多少方針が異なるので、その点も聞いておく必要があります。▼いずれにしろ、胃癌と言われたら、進行度(病期)がどれくらいなのかを、必ずお聞きになってください。