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胃癌の治療法選択 3(中等度の進行)

2012-09-05 | 胃の診療
そこそこ癌は進行しているが遠隔転移はないと思われ、他臓器浸潤もない場合は、定型手術が治療の第一選択となる。胃を切除するとともに、領域リンパ節と言われる胃から流れ出るリンパ液を受け取る領域のリンパ節を丸ごと摘出するというものである。◆リンパ節をきちっととってくることをリンパ節郭靖とよび、取るべきリンパ節がある領域を周囲の脂肪組織ごと摘出しなければならない。そのためには、胃の切除範囲をきちっと設定すること、胃壁沿いのリンパ節を取る際は残る胃の壁に脂肪組織を残さないようにすること、動脈の走行がきれいに見えるように血管周囲の脂肪組織をきちっと取ること、などが大切である。これがきちっとできていない手術は、癌に対する手術とは呼べない。◆以前は早期胃がんに対してもこの定型手術が施行されていたが、近年では必要十分な切除となる程度に、切除範囲をやや限定(縮小)するようになってきている。◆逆に少し離れたリンパ節となる大動脈周囲のリンパ節まで郭清する場合もあるが、そこを郭清することが予後の改善につながるかどうかは、結論が出ていない。

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