~ 恩師の「心行の解説」上巻より ~
講演 二
「意識は大宇宙体を支配し万象万物をして調和の姿を示さん」
「調和」という言葉もよく使われますが、
「調和」とはこういうものですと、
適切に答えてくれる人は余りありません。
高橋信次先生は「妙なる調べ」とおっしゃいました。
これは、バランスのことです。
あの「やじろべえ」を思いだしていただいたらよく分かると思います。
「やじろべえ」はどんな危険な場所に立てましても、
ちゃんと立ちます。
これは、左右の重りが調和されてバランスがとれているからです。
もし一方が重い場合は、落ちてしまします。
お釈迦様の厳しい修行も、
厳しいほうに片寄っていたから悟れなかったのですね。
お城の中の栄耀栄華の生活も、
また余り結構すぎて悟ることはできませんでした。
ですから、
「やじろべえ」の中心点は常に中程におかなくてはならないように、
「心」を中程に置くことが調和の目的です。
調和はすべての面で働きます。
たとえば、結婚しても奥さんばかりを可愛がって、
親を放ったらかしにするのは、これは不調和ですし、
お嫁さんを放ったらかしにしても、
親ばかりを大事にするのも片寄っていて、
これもうまくいきません。
その真ん中で、常に両方を大事にすることを心がけるべきです。
私などは、日頃家を留守にして、
家の者に大変迷惑をかけております。
外へ出れば、出た先で皆さんに喜んでいただきますが、
その分、家の者は寂しい思いをしております。
外にばかりよくしてもいけませんから、家にいる時は、
できるだけ家庭サービスをさせていただいております。
それもなかなできないような状態ですけれども、
常に心がけております。
家庭サービスといっても
「はい、はい」と、何もかも引き受けるということではなく、
家の者を大切にさせていただくということですね。
さもないと不調和になって、
外では良くて家では悪いということになってしまいます。
昔から「外いりが良くて、内いりが悪い」という言葉があります。
外で一生懸命仕事をして疲れると、
家でわがままを言いがちになるのですね。
しかしこれでは不調和です。
外でも良くし、家庭の中でも良くして、
どちらにも片寄らないバランスを
とっていくことが、何より大事だと思います。
~ 感謝・合掌 ~