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核燃料サイクルという迷宮 山本義隆

2024年12月09日 | 
 核燃料サイクルという迷宮 核ナショナリズムがもたらしたもの図書 山本 義隆∥[著] みすず書房2024/05
 図書館の案内: 日本のエネルギー政策の恥部、核燃料サイクルは、戦前来の電力中央集権化とナショナリズムの申し子だった。その歴史の精査をもとに、エネルギーと軍事にまたがる日本の核問題の来し方行く末を見つめ直す。



 まったくこの本を読んでいると、胸が悪くなる。もちろんそうだろうと思っていたが、原発は全然安くない。まったくそうだ。地球温暖化防止に寄与しない。クリーンではない。原発ムラに巣くう連中の私腹を肥やすためだけにある。みんな縛り首にしたい。そもそも原発はその初めからエネルギーのためでなく、潜在的軍事目的で推進されて来た。それらが資料つまり証拠と共にここに記述されている。これももちろん知ってはいたが中曽根康弘は極悪である。地獄からもう一度引き出してもういちど市中引き回しの上極刑に処したい。安倍晋三は言わずもがな。冗談ではない。
 この本すべてを引用したいくらいだが、次のは象徴的だ。

「日本人が国際的なやりとりで時に口にする言い訳や“説明”は余りにお粗末すぎて、とても本気とは受けとれない……。本音と建て前の使い分けは日常的におこなわれ、普通、日本社会の良い面とはされないまでも、そのことの倫理的な是非は問われない。しかし、この使い分けが、ある考え方の枠組みを生み、いろいろな欺瞞が社会的に容認される素地ともなっている。日本人は、西洋人に真似できないほど自分のまやかしについてあっけらかんとしている。日本人には、その不正直さを叱られる恐れなしに正直ぶることが許されているのである。(van Wolferen 1989b, p. 24F.)

 つまり責任は我々にある。政治家や官僚だけではない。もう、舌噛んで死んじまいたいくらいだ。そのくらい怒っている。