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楽器と勝負事

2020年10月11日 | 音楽

  楽器を弾いていて、それから碁なんかも打っていて、いつも思うのは客観性のことだ。
 勝負事は勝ち負けは絶対だ。それが目的なんだから当然だ。勝てば官軍。どんなに筋が悪かろうが、プロがダメだというようなやり方だろうが、負けたら何も言えない。相手の方が強いのだ。
 自分のざる碁は基本の基本の読む能力が低い。筋悪をとがめる読みができてないんだからしょうがない。
 音楽は、じつは微妙で、指が回ればまわりを黙らせられる、わけではない。むしろ音色の方が問題かもしれない。昔、アンサンブルが楽しめるくらいになって、自分でも少しはうまくなったと思った頃、言われたのは、音色がよくなったということだった。いくら指が回ってもまわりを邪魔したら、やっぱりそれは邪魔なんだよね。その「邪魔」もまた微妙で、こちらは下手くそだと思っていても自分はうまいと思っているやつもいる。実は「音痴」と思っているこちらの方が間違っているのかもしれない。勝負事なら絶対やっつけて黙らせる、あるいはこちらが間違っているのかと納得できるが、音楽ではできない。
 少なくともヨヨマはこう弾いてたとか、鈴木秀美は、とか言ってそれを人に押しつけるのだけはしないようにしないとなあ。
 勝負事も実は微妙なのだ。結果は非情だが、それはほんとうに微妙なあれこれの結末だったりする。「これが絶対」と思っているとときどきとんでもなく打ちのめされる。人間謙虚でなければ、と思うが、それでもすぐずに乗ってしまう。修行が足りん!

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