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江戸アルキ帖 杉浦日向子

2024年10月31日 | 
 どうやら文庫しか出ていないらしく、とても残念だ。大型本でなくても良いけれど、普通のサイズの物を、これは買って手元に置き、たまにパラパラめくったりしたい。
 文庫の裏に書いてあるとおり、タイムマシンに乗って江戸に行くというコンセプトで書かれたエッセイというのか、画文集か。たとえば最初のは文政十一年七月二十八日に日本橋に行ったことになっている。著者はもともと時代考証から創作に入ったので、この作品もとてもそれらしく、安心して読めた。(江戸時代を舞台にした小説にある鳥が出てきて、どんな鳥かなと思って調べたら明治になってから日本に入ってきた鳥だとあり、もうその作家の物はいっさい読む気がしなくなった。すみません。)
 でも本当は江戸時代は太陽太陰暦なので「文政十年の正月」は1827.1.5ではない。季節は1ヶ月くらいずれてるはずだ。ちょっと違和感のある記述もあり、著者を問いただしたい気分だ。だが、著者はなんと46歳で亡くなっているのだ。かえすがえすも惜しい。

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