年寄りが「髪につける油かなんか」が欲しいという。いつも漠然とした言い方をするくせに、それはこだわらない、どんなものでも良い、と思っている反映なのだが、そのくせ確固たるイメージがあってたいてい何でもいいやと思って持って行くと気に入らないのだ。頭にくるがしょうがない、それが老人なのだろう。
「なんでも良いと言ってもさあ、例えばどんなの?」聞いたり、今まではどんなものを使っていたのか聞いたり、イメージを探るのだが、今回は「昔は椿油かなんかを使っていて、、、、」「椿油が良いのか?」「椿油じゃなくても良い」「じゃあどんなの?」「だからなんでも良い」とわけがわからない。椿油を頼りに持って行ったらいちおう満足したようだ。次に行ったときにはやっぱりこれはどうの、と言うかもしれないが。