2013年公開の日本映画。変態とは何ぞや?を考えさせられる作品です。例えば『サロメ』のレビュー記事で、ヘロデ王はいよいよ今から踏んでもらおうという時に、サロメが裸足になった事をたいそう喜んでました。
でも本当の変態ならば、それは逆なんですよね。ハイヒール等の出来るだけ尖った靴で踏んでもらう事こそが、変態にとっての至福なんです。痛ければ痛いほど、変態は喜ぶワケですよ!
この『HK/変態仮面』は少年ジャンプの漫画を映画化した作品ですから、そんなにエロくはありません。だけど、変態とは何ぞや?っていう極めて重要な命題を、真正面から真摯に描いてくれてます。
もちろんギャグ満載でフザケてるんだけど、テキトーに小ネタを散りばめたクドカン作品みたいに手を抜かず、笑いに対して真面目に取り組み、真剣にフザケてます。とことん振り切るまでフザケてます。私は、そんな作品が大好きです。
変態夫婦の間に生まれた主人公(鈴木亮平)は、弱いクセに正義感だけは人一倍強い『キック・アス』みたいな高校生で、ある日うっかりマスクと間違えて女性のパンティーを被った瞬間、両親から受け継いだ変態のDNAが覚醒し、無敵の変態仮面に変身します。
で、ヒーロー物のお約束として、大好きなガールフレンド(清水富美加)は変態仮面に惚れちゃうんだけど、主人公はその正体が自分である事を明かせない。なぜなら、自分が変態である事がバレてしまうからw
そこに、謎の学校荒らし組織が「まじめ仮面」や「さわやか仮面」といった刺客を次々に送り込んで来るんだけど、中でも最強の敵が「ニセ変態仮面」で、彼は主人公を軽く凌駕する、変態の中の変態なワケですw
この「ニセ変態仮面」を演じてるのが安田顕さん。変態仮面と同じコスチュームで自らの乳首を両手で擦りながら迫って来るド変態ぶりが凄まじいですw
主人公の母親にしてSMクラブの女王というキャラを演じる、片瀬那奈さんの弾けっぷりもまた素晴らしいです。吹っ切れてますw ひと皮剥けましたね!
ヒロインは『仮面ライダーフォーゼ』というバリバリの正統派ヒーロー番組で注目された、清純派の清水富美加さん。田畑智子さんを彷彿させるファニーフェイスで変態仮面の股間をうっとり見つめる様に、萌えますw
監督・脚本が『コドモ警察』『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田雄一さんですから、笑いのセンスもバッチリです。(なぜか小栗旬くんが脚本協力としてクレジットされてますw)
まぁ、そこは好き嫌いが岐れる所でしょうけど、私はかなり笑わせて頂きました。なにげにアクション映画としても良く出来てます。
変態仮面を追い詰めたニセ変態仮面が、こんなことを言ってました。
「お前はパンティーの内側が自分の顔に密着するように被っているが、甘い! そんなのは本当の変態とは言えん! 本当の変態は、パンティーの外側にこそ興奮するのだ!」
つまり、局部の匂いを嗅ぎたくても嗅げない、そのもどかしさに興奮してこそ、本物の変態だというワケです。目からウロコが落ちましたw
究極の変態の、究極の変態ぶりに敗北を喫した変態仮面は、果たして立ち直る事が出来るのか? そして彼は、ガールフレンドに自分が変態である事を告白出来るのか?
気になって昼寝も出来ませんねw たぶん地上波じゃ放映されないでしょうからw、レンタルやCS放送を是非ともチェックして下さい!
PS. その後、清水富美加さんが電撃引退されて宗教団体の広告塔になろうとは、誰が予想できたでしょうか。ほんと世の中、何が起こるか分かりません。
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