前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

フォーレ ピアノ五重奏曲第2番ハ短調

2010-04-13 19:00:33 | クラシック音楽
フォーレのピアノ五重奏曲第2番ハ短調を聴きました。


クラシック音楽は、多楽章形式の器楽曲の場合、
全部聴くと大体30~50分位になります。

平日に1曲まるまる聴くということは私の場合あまりありません。
(通勤中にipodで聴くことはありますが)
好きな楽章だけとか、もっと極端な場合は好きな部分(旋律)だけ
とかを「つまみ聴き」することが多いです。


たまに無性に聴きたくなる旋律や、この部分の展開がたまらない、
ここの楽器の使い方が天才的、という好みは誰でもあると思いますが、
特に旋律については、自分にとって「不滅の旋律」ともいうべきものが
いくつかあります。

フォーレのピアノ五重奏曲第2番第1楽章の旋律もまさに「不滅の旋律」です。
ピアノのアルペジオの後、2小節目からヴィオラで演奏されます。



(恥ずかしながら楽譜を見て知ったのですが3拍子なんですね)


表現が難しいのですが、中途半端というか割り切れない不安定さというか・・・。
二つの旋律を無理に結合させて、前の旋律が「解決」しないまま
次の旋律に移ってしまうような感じがするのです。
(旋律が始まって5小節目で、前半後半がわかれるような)

その"不安定さ"がなんともたまらない魅力です。
ヴィオラで奏でられた後は、少しずつ形を変えたり、
途中で転調したりして展開しますが、
冒頭と同じ形ではっきり現れるのは再現部1回のみだと思います。
なかなか出てこないところもグッとくる要因です。



私が普段聴いているのは、ヴィア・ノヴァ四重奏団とユボーの演奏です。
録音は1970年で、正直あまりクリアーな音質(録音)ではありません。
ちょっと"もや"がかかったような音ですが、
それが逆にこの曲の雰囲気にあっているような気がします。
(最近はリマスター盤も出ているようですが)

ヴィオラを弾いているのは、ジェラール・コーセです。
そういえば気に入っている演奏の中で、
彼がヴィオラを弾いているものがいくつかあります。
パレナン四重奏団でのフランクの弦楽四重奏曲や、
ゴールドベルグ変奏曲の弦楽三重奏版など・・・。


ヴィオラは弦楽器の中ではちょっと地味な存在ですし、
室内楽というジャンルそのものが地味といえば地味ですが、
そんな中でコーセは、存在感が光る「名脇役」(かつ名優)ですね。



余談ですが・・・
コーセという名前を聞いて「チャーリー・コーセー」を思い出す人は
40代以上だと思います。
コメント
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