1599 人生が二度あれば
「人生が二度あれば」
人生やり直しができる
しかし、人生は一度しかない
自分は今年八月で六十八
脚は衰えてゆくばかり
仕事に追われ
まだゆとりができないでいる
老いのなかにあり
老いゆく時間は
二度目の人生と思い
やりたいことを懸けてみる
本当に生きた、と
感じれる最後を迎えたい
「人生が二度あれば」
作詞・作曲 井上陽水
父は今年二月で六十五
顔のシワはふえてゆくばかり
仕事に追われ
このごろやっと ゆとりができた
父の湯呑み茶碗は欠けている
それにお茶を入れて飲んでいる
湯飲みに写る
自分の顔をじっと見ている
人生が二度あれば この人生が二度あれば
母は今年九月で六十四
子供だけの為に年とった
母の細い手
つけもの石を持ち上げている
そんな母を見てると人生が
誰の為にあるのかわからない
子供を育て
家族の為に年老いた母
人生が二度あれば この人生が二度あれば
父と母がこたつでお茶を飲み
若い頃の事を話し合う
想い出してる
夢見るように 夢見るように
人生が二度あれば この人生が二度あれば
子どもと家族のために生き老いた父と母
欠けた湯飲み茶碗は
身体のあちこちにガタがきた父の姿と重なる
重いつけもの石は
家族の重荷を背負い生きてきた母の人生そのもの
もし、人生が二度あれとすれば
父と母には
今度は、自分のために生きて欲しい、と願う。