老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

空蝉

2023-04-08 18:29:03 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1930 空蝉



         ほとんど人も車も通らない死んだような路の両脇に桜並木がある 

空蝉

梅雨が明けると
蝉は鳴き始める
地上に生きている時間は儚く短い
それでも蝉は生きていると
力の限り鳴き叫ぶ
蝉を見倣い
私も今日力の限り生きてみようか
蝉の抜け殻のまま
蝉は帰って来ない
私には帰る家がある

空蝉は、蝉の抜け殻を指す言葉だけれども、
自分の心も同様に抜け殻の如くあり、生きる屍の態にある。
暑い夏、木々のなかで、蝉たちは鳴いている。
いままで自分は、蝉の鳴き声は喧騒であり心苛つかせ、余計に暑さを感じていた。

寝たきり拾年と言われ、畳一畳より幾分広い介護用ベッドの上で
寝たきり老人は幾日も昼夜を過ごしてきた。
その老人は自力で寝返りすることもできず、
四肢は拘縮したまま、ジッと天井を見つめたまま、
窓の外にある四季の移ろいさえ感ずることさえなかった。
それでも老人は静かに力の限り生き続けてきた。

空蝉は、脱皮した蝉の抜け殻であり、
これから生きている時間は儚く短いけれども、
「蝉は生きている」、と力の限り泣き叫ぶ。

季節外れのブログになってしまった。
桜の花が散りゆく風景は
無常なのか、それとも来春への希望なのか

最近、人工透析治療を受けている女性に出会った
ことしの春で98の齢を重ねた
腰椎圧迫骨折で半年余り入院され要介護4の認定を受けた
負けじと介護用ベッドから自力で起き上がり、立ち上がり、立ち、歩こうとした
凄いぞ 婆さん



自分は最近左膝 半月板損傷と診断された
保存療法を選択
今日4月8日はお釈迦様の誕生日
我が家の愛犬 beagle元気も同じ4月8日 10の齢を重ねた