老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1445;歌を忘れたカナリア

2020-03-10 12:16:04 | 阿呆者
銚子の海

歌を忘れたカナリア  

歌を忘れたカナリア
もう人間様から可愛がってもらえず
籠から出されるのであろうか

言葉を忘れた老人
数え切れないほど記憶のピースが抜け落ち
住み慣れた家で暮らし続けることができるであろうか



歌を忘れてもカナリアは、いつまでも可愛が
ってもらいたい。犬が大きくなり「可愛らし
さ」が失われると、人間は飽きてしまい、見
捨てしまう。犬と猫を合わせると、日本だけ
で年間5万頭が殺処分されている。犬も猫も
家族であり命を持っている。

言葉を忘れるのは認知症老人だけでなく、ひ
とりで暮らしている老人にも起こりやすい。
ひとり暮らしの85歳の老女を訪問したとき、
「話す人もいない。テレビを観ても、声は聞
こえるけれども話すことはできない。話さな
いでいると、なんだか言葉を忘れていくよう
な気がする。」、と寂し気に話してくれた。


認知症老人は、いま話したことを忘れ、忘れ
たことも「忘れて」しまう。忘れてもよいか
ら、認知症老人に身振り手振りも使い、感情
を込め言葉をかけてゆくことが大切。自分を
気にかけてくれる、心配してくれる、という
感情は認知症老人にも伝わる。

忌まわしい過去、思い出したくない過去など
忘れることができたらこころがもっと軽くな
るのだが、認知症になっても忘れずにいるの
だろうか・・・・。

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