老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

介護とは ⑭{ヒトから人へ「自立」}

2020-06-23 13:32:53 | 介護の深淵


1575 介護とは ⑭{ヒトから人へ「自立」}

人間最初の自立は、「ひとり歩き」ができ、行きたいところへ行ける。
ひとり歩きができるようになると、親は「あひるのおまる」を部屋に置く。



もじもじしたり、「そろそろオシッコの時間かな」、と思うとき
紙パンツを抜かせ、あひるのおまるに股がせる。
あひるが珍しく、オシッコをするのも忘れ、あひるに夢中
オシッコがうまくできたときには、うんとほめてあげ、失敗したときは怒らない。

あひるのおまるでオシッコ・うんちができたら、次は洋式便器(トイレ)に挑戦だ~。
おむつが外れる時期は2歳半から3歳頃(個人差がある)。

子どもにとり「おむつが外れる」ことは、第2の自立つながり、
不快さ・不自由さから解放され、行動空間が拡がっていく。

お出かけするのにも、親は紙おむつなどを持たなくてもよい 
👍 おむつ代がかからない 
👍 洗濯代もかからない

おむつが外れた幼児が、駄々をこねていたので
「赤ちゃんだね」、と言葉をかけた
幼児は「赤ちゃんじゃない。お兄ちゃん(お姉ちゃん)だもん」と反撃をする。

おむつをしているのは赤ちゃん。
僕は(私は)おむつをしていない。トイレでオシッコ・うんちをしているもん。
お父さん、お母さんと同じく「ひとりでトイレでしている」僕(私)。

おむつを外れた子どもは、排せつでは「一人前」に自立したこと意味する。

👇
齢を嵩ね 老人となった。
病気や転倒骨折などにより手足が不自由になり
一人でトイレに行くことができなくなった老人。
他人の手を借りなければ、トイレにも行けない。
まだトイレで、用足しをできるうちはいい。

「紙おむつをするようになったらお終いだ」
「紙おむつをするようになったら死んだほうがいい」(死んだ老人はいない)
なぜ「お終いだ」「死んだほうがいい」、と老人は呟くのか。

それは、おむつをつけている子どもは親の世話をうけ「半人前」として(自立していない)、大人は見ている。
老人は過去に(子どものときに)おむつが外れ
そして学校を卒業し、社会に出て定年まで働いてきた。
一人前の大人として働き、家族を養ってきた。
それが、いまこうしておむつをつけるようになった自分は、赤ちゃんに後退し「半人前」の人間になったことが情けない、
と思ってしまう。

👍 おむつが外れることは 子どもにとり大きな自信にもなり、笑顔にもなる。
   老人も同じ。老人もおむつが外れると、元気になり、生活に意欲がでてくる。

  おむつが外れた老人の変化については、後日書いていきたい


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