老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

老母の介護に疲れた その後2 「死んだように眠っていた」

2024-01-24 20:10:19 | 老いの光影 最終章 蜉蝣
2015 おかげ様で私も夜眠れるようになった


        冬の阿武隈川 寒さを感じさせる白い川波 令和6年1月23日 撮影

松さん(89歳)は、愛想はなく
他のお客様が「おはようございます」と挨拶をしても
無愛想で「・・・・」のまま
自分から話しかけることようなことはない
見るからに意地悪婆さんの雰囲気

何もしないでいると
「トイレに行きたい」と訴え
椅子から立ち上がろうする
傍に座り手を握ると落ち着く 
寂しがり屋なのか 甘えん坊なのか

昨夜は徘徊で活動していたせいか
手は温かい 眠いのかもしれない
眠いからと言って ここで寝せては
昼夜逆転を 逆転させ 
昼起きて 夜寝る のリズムに戻さねば

桜デイサービスのスタッフは
ボールやゴムバンド、手拭いなどの小道具を使い
手足を動かす運動を1対1で行った
ときには他のお客様にも参加して頂き
輪になり 音楽に合わせ体操を行った

午後は、スタッフと一緒に30分ほど
桜デイサービスの界隈を散歩
昼寝は無し

音程は微妙ではあったけれど
本人はそんなことは気にすることはなく
大きな声で 5曲ほど唄った
このときも,ただ座って唄うだけでなく
身振り手振りを入れながら唄う

画面の文字や歩くときに
視点が左側ばかり向くことに気がつき
もしかしたら右眼が見えていないのではないか、と疑い
大きな月暦を使って視力検査を行った
左眼を手で押さえたとき 右眼は大きな数字を読むことはできなかった
右眼がみえていない
長女も 気がつかなかった

今回いっしょに彼女と行動した際に
桜デイサービスセンター長が気づいたのであった
これは大きな発見で
糖尿病による失明なのか 医師による診察が不可欠である

初日のデイサービスは寝ることもなく手足や体を動かした

帰宅し
松さんは夕食を摂り20時30分頃まで起きていたが
その後は朝まで一度も起きることもなく爆睡
翌朝 長女真恵さん(62歳)に電話をかけ様子を伺う
「死んだように眠っていた」

2日目 3日目も翌朝電話すると
真恵さんから同じ言葉が返ってきた
「死んだように眠っていた。おかげ様で私も夜眠れるようになった
「本当に感謝しています。安心して仕事に行けます」

まだ気は抜けないが
昼夜逆転は消失した

トイレ行きたいコールはかなり減ってきた
黙って座っているとトイレのことが気になる
体を動かしている間は トイレのことを忘れる
頻回にトイレに行ったとき オシッコは出てもチョロチョロ
1時間に1回となると それなりにオシッコが出ると 本人も満足する

手足や体を動かさず 椅子に座った状態でも
「トイレに行きたい」という言葉が頻回に出ないようしていきたい
まだ始まったばかりである

夜間徘徊 トイレコール頻回 は消失しつつある

「また、デイサービスに行きたい」「楽しい」等など
飽きさせないことが大事

ときには「何もしない時間」も必要

寝せないこと、テレビ子守にさせない
食事中はテレビをつけない
「そのために紙オムツがあるのだから・・・・ 紙オムツにしなさい」ではなく

桜デイサービスは、本人の尿意を無条件に受け止め
トイレで用を足す
紙オムツをしてもトイレに行き、洋式便器に腰掛ける


徘徊」(この言葉が嫌い)「トイレ頻回」など
いろいろと手がかかるから
「寝ているときは無理に起こさない」(寝た婆さんを起こすな)、ということで
昼間なのに寝せてしまう

認知症だから何もできないから、と決めつけ、ただ座っていると眠くなり寝てしまう。

だから、家に帰ると昼夜逆転現象が起こってしまう。


ピンク色の文章は 令和6年1月24日 加筆したものである
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