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寝て起きて 鰤喰らう夢 醒めるなよ
(ねておきて ぶりくらうゆめ さめるなよ)
18976 【季語】 鰤 【季節】 三冬
ひとかどの 男を目指し 鰤喰らう
(ひとかどの おとこをめざし ぶりくらう)
18977 【季語】 鰤 【季節】 三冬
鰤=魚の師。
マシュマロに 白餡博多の 雪兎
(ましゅまろに しろあんはかたの ゆきうさぎ)
18978 【季語】 雪 【季節】 晩冬
博多銘菓「雪兎」。最近食べてません。
日の本に 寒中見舞 雪見舞
(ひのもとに かんちゅうみまい ゆきみまい)
18979 【季語】 雪 【季節】 晩冬
昔事 心洗われ 冬日和
(むかしごと こころあらわれ ふゆびより)
18980 【季語】 冬日和 【季節】 三冬
明暗の 中日なるかな 冬日和
(めいあんの なかびなるかな ふゆびより)
18981 【季語】 冬日和 【季節】 三冬
接写して 棘が気になる 冬の薔薇
(せっしゃして とげがきになる ふゆのばら)
18982 【季語】 冬 【季節】 三冬
大寒を 過ぎて三日月の 切なさよ
(だいかんを すぎてみかづきの せつなさよ)
18983 【季語】 大寒 【季節】 晩冬
冬日射し 設定温度を 越えるなり
(ふゆびさし せっていおんどを こえるなり)
18984 【季語】 冬日 【季節】 三冬
ゆりかもめ 想い人如何 答えてよ
(ゆりかもめ おもいびといかん こたえてよ)
18985 【季語】 ゆりかもめ 【季節】 三冬
大寒や 世の中すべて 真っ白け
(だいかんや よのなかすべて まっしろけ)
18968 【季語】 大寒 【季節】 晩冬
雪の情 勇者九州男に 少なけり
(ゆきのじょう ますらくすおに すくなけり)
18969 【季語】 雪 【季節】 晩冬
勇者九州男(ますらくすお)=九州男児
ますら=心身ともに人並みすぐれた強い男子。りっぱな男子。
ますら→勇者は当て字。
ますら=心身ともに人並みすぐれた強い男子。りっぱな男子。
ますら→勇者は当て字。
寒の水 今じゃ冷やした 水素水
(かんのみず いまじゃひやした すいそすい)
18970 【季語】 寒の水 【季節】 晩冬
ボーとして 忘れ物癖 冬帽子
(ぼーとして わすれものぐせ ふゆぼうし)
18971 【季語】 冬 【季節】 三冬
現し身の 夢中の夢に 寒憶ゆ
(うつしみの むちゅうのゆめに かんおぼゆ)
18972 【季語】 寒 【季節】 晩冬
現し身(うつしみ)=現在生きている身。
長き夜や 古びり増えし 長電話
(ながきよや ふるびりふえし ながでんわ)
18973 【季語】 長き夜 【季節】 三秋
芸無しが 他虐に落ちる 冬芸人
(げいなしが たぎゃくにおちる ふゆげいにん)
18974 【季語】 冬 【季節】 三冬
冬の国 毀誉褒貶の 宰相あり
(ふゆのくに きよほうへんの さいそうあり)
18975 【季語】 冬 【季節】 三冬
毀誉褒貶(きよほうへん)=
ほめる人もいればけなす人もいるという意味から、
世間の評判のこと。
ほめる人もいればけなす人もいるという意味から、
世間の評判のこと。
冬晴れや 座して楽待つ 七十歳
(ふゆはれや ざしてらくまつ ななじっさい)
18958 【季語】 冬晴れ 【季節】 三冬
初暦 予定無ければ 白きまま
(はつごよみ よていなければ しろきまま)
18959 【季語】 初暦 【季節】 新年
天からの 迎え来るよな 日向ぼこ
(てんからの むかえくるよな ひなたぼこ)
18960 【季語】 日向ぼこ 【季節】 三冬
木を離れ 風と地で遊ぶ 木の葉かな
(きをはなれ かぜとちであそぶ このはかな)
18961 【季語】 木の葉 【季節】 三冬
可惜夜や やること過多の 冬一日
(あたらよや やることかたの ふゆひとひ)
18962 【季語】 冬 【季節】 三冬
手も出せぬ 三寒四温 過度なりき
(てもだせぬ さんかんしおん かどなりき)
18963 【季語】 三寒四温 【季節】 三冬
大寒や 玻璃の煌めき 歓喜あり
(だいかんや はりのきらめき かんきあり)
18964 【季語】 大寒 【季節】 晩冬
玻璃=ガラス 寒気?乾季?
臘梅や 透きし花弁 素心あり
(ろうばいや すきしはなびら そしんあり)
18965 【季語】 臘梅 【季節】 晩冬
素心(そしん)=偽りのない心。飾らない言葉。
冬日差す 煌めく波に 心揺る
(ふゆひさす きらめくなみに こころゆる)
18966 【季語】 冬日 【季節】 三冬
悴みて 更に乱れし 我が書かな
(かじかみて さらにみだれし わがしょかな)
18967 【季語】 悴む 【季節】 晩冬
枯山や 景色の変化 駅毎に
(かれやまや けしきのへんか えきごとに)
18948 【季語】 枯山 【季節】 三冬
枯山や 草あれど木無き ボタの山
(かれやまや くさあれどきなき ぼたのやま)
18949 【季語】 枯山 【季節】 三冬
寒明けを 今か今かと 待ちわびる
(かんあけを いまかいまかと まちわびる)
18950 【季語】 寒明け 【季節】 初春
寒明けや 鯉口揃え 餌を待つ
(かんあけや こいぐちぞろえ えさをまつ)
18951 【季語】 寒明け 【季節】 初春
寒明けの 空高くして 優しくて
(かんあけの そらたかくして やさしくて)
18952 【季語】 寒明け 【季節】 初春
寒明けや 二つに割れし 座り胼胝
(かんあけや ふたつにわれし すわりだこ)
18953 【季語】 寒明け 【季節】 初春
寒明けや 伊予の雑魚天 思い出し
(かんあけや いよのじゃこてん おもいだし)
18954 【季語】 寒明け 【季節】 初春
願い事 今日も明日も 春を待つ
(ねがいごと きょうもあしたも はるをまつ)
18955 【季語】 春を待つ 【季節】 仲冬
七草の うすむらさきの 仏の座
(ななくさの うすむらさきの ほとけのざ)
18956 【季語】 仏の座 【季節】 新年
マスクとは 顔を隠すに あらざるに
(ますくとは かおをかくすに あらざるに)
18957 【季語】 マスク 【季節】 三冬
冬の山 古里遠き ボタの山
(ふゆのやま ふるさととおき ぼたのやま)
18928 【季語】 冬 【季節】 三冬
一月の ライスカレーは 土の色
(いちがつの らいすかれーは つちのいろ)
18929 【季語】 一月 【季節】 晩冬
蒼天の 怒りと憶ゆ 厳寒は
(そうてんの いかりとおぼゆ げんかんは)
18930 【季語】 厳寒 【季節】 晩冬
三角の 藁蓑帽子 寒牡丹
(さんかくの わらみのぼうし かんぼたん)
18931 【季語】 寒牡丹 【季節】 三冬
二日月 勢いありし 寒の晴
(ふつかづき いきおいありし かんのはれ)
18932 【季語】 寒の晴 【季節】 晩冬
明石の海 大波小波 冬の海
(あかしのみ おおなみこなみ ふゆのうみ)
18933 【季語】 冬 【季節】 三冬
冬銀河 負けぬ大橋 ライトアップ
(ふゆぎんが まけぬおおはし らいとあっぷ)
18934 【季語】 冬 【季節】 三冬
大根は 白くて辛く 船灯
(だいこんは しろくてからく ふなあかり)
18935 【季語】 大根 【季節】 三冬
新月や 煌めき強き 冬銀河
(しんげつや きらめきつよき ふゆぎんが)
18936 【季語】 冬 【季節】 三冬
迷い道 東西南北 雪ばかり
(まよいみち とうざいなんぼく ゆきばかり)
18937 【季語】 雪 【季節】 晩冬
万歳や ボケツッコミ無き 笑い欲し
(まんざいや ぼけつっこみなき わらいほし)
18938 【季語】 万歳 【季節】 新年
年古りて 焚火の記憶 泪あり
(としふりて たきびのきおく なみだあり)
18939 【季語】 焚火 【季節】 三冬
洗濯に 萬札縮み 日脚伸ぶ
(せんたくに まんさつちぢみ ひあしのぶ)
18940 【季語】 日脚伸ぶ 【季節】 晩冬
日脚伸び 萬札伸びて いのち伸ぶ
(ひあしのび まんさつのびて いのちのぶ)
18941 【季語】 日脚伸ぶ 【季節】 晩冬
寝覚めての 目覚ましの音 日脚伸ぶ
(ねざめての めざましのおと ひあしのぶ)
18942 【季語】 日脚伸ぶ 【季節】 晩冬
点滴の 液の滴り 日脚伸ぶ
(てんてきの えきのしたたり ひあしのぶ)
18943 【季語】 日脚伸ぶ 【季節】 晩冬
みどりこや いまはどうして 日脚伸ぶ
(みどりこや いまはどうして ひあしのぶ)
18944 【季語】 日脚伸ぶ 【季節】 晩冬
温暖化 薄氷流れ 川氾濫
(おんだんか うすらひながれ かわはんらん)
18945 【季語】 薄氷 【季節】 晩冬
他国でも 薄氷流る 被害あり
(たこくでも うすらひながる ひがいあり)
18946 【季語】 薄氷 【季節】 晩冬
どんど焼き 焚き火にあらず あたりなや
(どんどやき たきびにあらず あたりなや)
18947 【季語】 どんど焼き 【季節】 新年
日の本は 忘却の地震 土竜打ち
(ひのもとは ぼうきゃくのなゐ もぐらうち)
18908 【季語】 土竜打ち 【季節】 新年
土竜打ち=もぐらたたき。地震=なゐ。地震の古語。
各々の 年賀に見ゆる 年の嵩
(おのおのの ねんがにみゆる としのかさ)
18909 【季語】 年賀状 【季節】 新年
生き晒し 七十にして 鷽替か
(いきさらし ななじゅうにして うそかえか)
18910 【季語】 鷽替 【季節】 新年
鷽替え(うそかえ)=菅原道真を祭神とする
神社(天満宮)において行われる神事である。
鷽(ウソ)が嘘(うそ)に通じることから、
前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、
本年は吉となることを祈念して行われる。
太宰府天満宮が有名。
神社(天満宮)において行われる神事である。
鷽(ウソ)が嘘(うそ)に通じることから、
前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、
本年は吉となることを祈念して行われる。
太宰府天満宮が有名。
冬銀河 虚空清浄 煌めけり
(ふゆぎんが こくうせいじょう きらめけり)
18911 【季語】 冬 【季節】 三冬
手を打てば 犇めき寄りぬ 寒の鯉
(てをうてば ひしめきよりぬ かんのこい)
18912 【季語】 寒鯉 【季節】 晩冬
寒鯉の 腹と脇腹 擦り傷
(かんごいの はらとわきばら こすりきず)
18913 【季語】 寒鯉 【季節】 晩冬
寒鯉の 沈み動かぬ 川の底
(かんごいの しずみうごかぬ かわのそこ)
18914 【季語】 寒鯉 【季節】 晩冬
冬空を 鳶輪を描き 急降下
(ふゆぞらを とんびわをかき きゅうこうか)
18915 【季語】 冬 【季節】 三冬
宝輪の 天を切り裂く 寒日和
(ほうりんの てんをきりさく かんびより)
18916 【季語】 寒日和 【季節】 晩冬
荒波の 岸壁に付く 石蓴採り
(あらなみの がんぺきにつく あおさとり)
18917 【季語】 石蓴採り 【季節】 晩冬
石蓴採りを機械化は、成功したのだろうか。
何せむに ふくら雀は たじろがず
(なにせむに ふくらすずめは たじろがず)
18918 【季語】 ふくら雀 【季節】 晩冬
ふくら雀=羽根の間に空気を取り込んで、
身を丸くして寒さを防いでいる雀。
身を丸くして寒さを防いでいる雀。
石油から 原子力へ 冬の闇
(せきゆから げんしりょくへ ふゆのやみ)
18919 【季語】 冬 【季節】 三冬
靴下を 脱ぎ忘れてか 霜焼けに
(くつしたを ぬぎわすれてか しもやけに)
18920 【季語】 霜焼け 【季節】 晩冬
鰭の酒 注ぎ足し三杯 火もつかず
(ひれのさけ つぎたしさんばい ひもつかず)
18921 【季語】 鰭酒 【季節】 三冬
鰭酒の 句は多けれど 誘いなし
(ひれざけの くはたけれど さそいなし)
18922 【季語】 鰭酒 【季節】 三冬
寝正月 どうでもいいや 今日明日
(ねしょうがつ どうでもいいや きょうあした)
18923 【季語】 寝正月 【季節】 新年
サボり癖 軽い病で 寝正月
(さぼりぐせ かるいやまいで ねしょうがつ)
18924 【季語】 寝正月 【季節】 新年
手枕は どこでも寝れる 寝正月
(てまくらは どこでもねれる ねしょうがつ)
18925 【季語】 寝正月 【季節】 新年
寝正月 腹の時計は 狂いなし
(ねしょうがつ はらのとけいは くるいなし)
18926 【季語】 寝正月 【季節】 新年
未完の句 増え続け居る 寝正月
(みかんのく ふえつづけおる ねしょうがつ)
18927 【季語】 寝正月 【季節】 新年
歳時記と 拡大鏡と 膝掛けと
(さいじきと かくだいきょうと ひざかけと)
18888 【季語】 膝掛 【季節】 三冬
寒蘭の 向きを気にする 鬱陶しさ
(かんらんの むきをきにする うっとうしさ)
18889 【季語】 寒蘭 【季節】 初冬
寒の坂 昨日と違う 疲れあり
(さむのさか きのうとちがう つかれあり)
18890 【季語】 寒 【季節】 晩冬
日脚伸び 影は縮まり 身は太る
(ひあしのび かげはちぢまり みはふとる)
18891 【季語】 日脚伸ぶ 【季節】 晩冬
川の字に 矢印もある 冬の糞
(かわのじに やじるしもある ふゆのまり)
18892 【季語】 冬 【季節】 三冬
糞(まり)=糞(ふん) 川、小、↑
冬の朝 風切る散歩 明日もまた
(ふゆのあさ かぜきるさんぽ あすもまた)
18893 【季語】 冬 【季節】 三冬
声に出し 体を使えば 冬良句
(こえにだし からだをつかえば ふゆりょうく)
18894 【季語】 冬 【季節】 三冬
喉を過ぎ 食道で感ず 冬料理
(のどをすぎ しょくどうでかんず ふゆりょうり)
18895 【季語】 冬 【季節】 三冬
熱さが伝わります。
女正月 今年三度目 女会
(めしょうがつ ことしさんどめ おんなかい)
18896 【季語】 女正月 【季節】 新年
かち上げと 張り手とで割る 鏡餅
(かちあげと はりてとでわる かがみもち)
18897 【季語】 鏡餅 【季節】 新年
あと十年 気楽に決めて 日脚伸ぶ
(あとじゅうねん きらくにきめて ひあしのぶ)
18898 【季語】 日脚伸ぶ 【季節】 晩冬
酔いどれも 己が姿や 霜の夜
(よいどれも おのがすがたや しものよる)
18899 【季語】 霜夜 【季節】 三冬
湯豆腐や 一味と七味 勝がなし
(ゆどうふや いちみとしちみ しょうがなし)
18900 【季語】 湯豆腐 【季節】 三冬
湯豆腐や 木綿に絹も 良い勝負
(ゆどうふや もめんにきぬも よいしょうぶ)
18901 【季語】 湯豆腐 【季節】 三冬
日脚伸び 命伸びれば 背も伸びる
(ひあしのび いのちのびれば せものびる)
18902 【季語】 日脚伸ぶ 【季節】 晩冬
マスクせし 人々ばかり 日沈む国
(ますくせし ひとびとばかり ひしずむくに)
18903 【季語】 マスク 【季節】 三冬
吉本は 自虐が売りの 福笑い
(よしもとは じぎゃくがうりの ふくわらい)
18904 【季語】 福笑い 【季節】 新年
ゲバルトや 角棒ありて 焚き火する
(げばるとや かくぼうありて たきびする)
18905 【季語】 焚き火 【季節】 三冬
老い行かば 階段の一歩 冬の海
(おいゆかば かいだんのいっぽ ふゆのうみ)
18906 【季語】 冬 【季節】 三冬
女正月 忘れられしや 年賀状
(めしょうがつ わすれられしや ねんがじょう)
18907 【季語】 年賀状 【季節】 新年