インコ
エレベーターを出て客室に向かう通路の脇に広いロビーがあって、そこから聞きなれない鳥の鳴き声が聞こえてきた。
近づくと 窓際に鉄格子と金網で造られた堅牢な鳥籠があって、その中に一羽のインコ?がいる。
こんな頑丈な鳥籠は見たことがない、よほど凶暴な鳥だろう。
しばらく見ていたが微動だにしない、大きなエネルギーを持つ造り物かもしれない。
前日 故宮博物館の人間技と思えない精緻な展示物を見学してきた。
インコ
エレベーターを出て客室に向かう通路の脇に広いロビーがあって、そこから聞きなれない鳥の鳴き声が聞こえてきた。
近づくと 窓際に鉄格子と金網で造られた堅牢な鳥籠があって、その中に一羽のインコ?がいる。
こんな頑丈な鳥籠は見たことがない、よほど凶暴な鳥だろう。
しばらく見ていたが微動だにしない、大きなエネルギーを持つ造り物かもしれない。
前日 故宮博物館の人間技と思えない精緻な展示物を見学してきた。
野柳海岸の奇岩群
野柳は初回訪問とばかり思っていたけれど、特異な風景の中を歩く間に少しづつ記憶がよみがえってきたが確証までは至らなかった。
帰国して古いアルバムを手繰ると1983年頃会社の研修旅行でこの地を訪れている証拠を見つけた。
現在は整備され名声高い観光地となり、各種の施設とあいまって、広い駐車場は大型バスで埋め尽くされていた。
当時は砂埃が舞う駐車場でバスを降りると、土産を売る大勢の人に囲まれた、ガイドさんからは絶対に買ってはいけない、買ったらバスに戻れないという。
彼等のテリトリーは駐車場の中だけで、海岸に出る事はしなかった、人影のまばらな海岸は別天体を思わせる空間が広がり、初めての異国をゆっくり堪能した。
しかし、帰りも売り子の集中攻撃を受けた、ポケットに絵葉書を強引に突っ込んで買えと迫られる人もいて、ようやくの思いでバスに避難した事も思いだした。
台湾では全く変わらない景色と、30年という短い間に大きく変わったものが見えた。
朝の屋台街(森林北路)
台北の有名な夜店街を歩くことは出来なかったが、朝の時間帯に別の場所を歩くことができた。
朝食を食べる屋台や八百屋さんは既に開店したいたが人影はまばらである。
20年前のようの街を埋め尽くす人ごみはなかった。
雨上がりの露店街を闊歩する犬がいた。
柳川の水路は変化に富んだ迷路である、身をよじる様にして通る狭隘な石積みの間を抜けたかと思うと、両岸に黄葉の柳並木が連なる大川に変身したりする。
地形上、陸路は至るところで水路に阻まれて、徒歩者は不便この上ない。
昔 知恵者がいて要所に橋を造り、銭を徴収して財をなしたという。
川岸のお屋敷にサボンがたわわに色づいている。
もうしばらくするとザボンは熟れて水面に落下する、その落下音が命名由来であると船頭が真顔で云った。
船頭は長い竹竿1本で巧みに舟進める、曲がるも止まるも速度も竿1本。
川底に突挿した竿を押した反動で舟が進む、優雅なアメンボにも見えるけれど体力勝負、川に落ちた事は数えきれないという。
水深は1メートル前後、歩ける人なら落ちても心配ないと客は救命胴衣を着用しない。
重厚な石積みも塀の海鼠壁も何となく近寄りがたい。
午前中の激しかった雨が昼食の間に上がり、時折雲の切れ目から薄い日が射して、一同から思わず歓声が上がった。
それでも船頭さんのはからいで、テルテル坊主のような奇妙な形のビニール製貫頭衣型雨合羽を纏って乗船した。
この貫頭衣は風よけに効果があり、その上この濠に住む河童の悪さから我々を守ってくれた。酔っ払いが時々川に引きづり込まれることがあるらしい。
どんこ舟に二列に行儀よく並んだ、10人の坊主は互いのユーモラスな出で立ちに笑い転げた。
この掘割は昔柳川城の濠であったという、船頭は細い竿一本で船を自在に操る、海鼠壁の影を水面に映す米蔵の連なる脇を抜け、領主の別邸である瀟洒な洋風建築が立つ広大な敷地をぐるっと巡った。
諏訪湖の四手網に似た漁具
船客のために時々網を上げるという この水辺に魚影は濃く、いろんな魚が揚がる。
どんな魚が捕れるのですか?
「そうさなあ ここに住む魚は全部捕れるわ」
捕った魚は食べられますか?
「そうさなあ わしらと同じで、煮ても焼いても食えんでしょうよ」
二泊目は会津の奥座敷芦の牧温泉で 疲れを癒し、古い茅葺き屋根が立ち並ぶ宿場町大内宿まで足を伸ばした。
そこには子供の頃の原風景が現れた。
家並みの前を清冽な小川が流れ、水に手を浸すと冷たさが頭の芯まで伝わってくる。
流れの中に懐かしいラムネの青瓶がびっしりと並んでいた、電気で冷やしたものより美味しそうだ。
珍しさから、ネギ蕎麦なるものをを註文した、なんと30センチもある長ネギが添えられている。
薬味代わりに丸ネギを齧るのだそうだ。
蕎麦も汁も美味しかった、しかしネギを丸かじりして、蕎麦を食す習慣が無いので戸惑った。
ネギを5センチほど食べると蕎麦が終わってしまった。
蕎麦通の人は1枚のざるそばで、長ネギ1本を食べきるという、私は今でも眉唾と思っている。
松島湾で遊覧船に乗る。
観光客が与えるカッパエビセンにカモメが群れになって押し寄せる。
そのカモメを素手で捕まえた昔少年
波しぶきがレンズに飛び散った。