草むしり

庭セキショウ（この花が我が家の庭に咲くのはこれが初めてである）



草むしり
これほど退屈な手伝いはなかった。
雑草に埋もれた農作物を救出する方法は、その周りの草々を抜き取るより方法がない「草むしり」作業である。
雑草は逞しいうえに成長が早い、農業は雑草との戦いに明け暮れてたと云っても過言ではない程であった。
比較的軽作業であることが災いして、休日は極く当たり前のよう、子供たちは畑に草むしりに駆り出された。
「草取り」は優雅で趣味的な響きが心地よいけれど、「草むしり」は強制的で、作業が終わるまで帰れない囚人である。
　その上にいい加減な作業をすれば、数日後農作物は蘇生した雑草に覆われて、手痛いしっぺ返しを受けることになる。
長い畝の途中で、世の中から雑草の種が消えてしまえば良いのにと、天を仰いでため息をついた。