名月 生憎雲の多い宵である
松茸のおすそわけがあった。
今年は、キノコが豊作と聞いていたが、ここまでは香すら回ってこなかった。
近年 近くの松茸山は荒れ果てて、雑キノコも生えないそうだ。
買って食べるほどの物好きでもないのでご無沙汰してきたけれど、今夜は香りが楽しめる。
以前 愛知県長久手で松茸をイヤというほど食べたことがある。
七輪のわきに置かれた竹籠に、立派な松茸が積み上げられていた。
適当に裂いて七輪の網に乗せ、焼けたと思う頃タレで食べる、何とも豪快な松茸料理だった。
最初は面白がって食べたのだが、すぐに臭いが鼻について食べられなくなった。
芋粥の五位の心境である。
アザミ
棘の先端が固くなって厚手の衣服に突き刺さる。