キルタンサス
冬に咲く頼もしい花
対岸の日当たりのよい集落「東桐原」に、海岸寺という大きなお寺あったという。
その一郭にお堂があって、長野県宝の千手観音が安置されている。
お堂の前に植えられた銀杏がずいぶん大きくなった。
最近銀杏の大木が見られなくなった、だからこの銀杏はあまり痛めつけず自由に伸ばしてほしいのだが・・・
周りの果樹園のことを考えるとそれも難しいかもしれない。」
諏訪社境内の榎が黄葉した。
榎は国蝶オオムラサキの食樹である。
8月に孵化した幼虫は榎の葉を食べて成長し、晩秋紅葉とともに地上に降りて、落葉の隙間などに隠れて越冬する。
以前 隼人君が初冬のころ、積もった落葉の中から、枯葉にしっかりと張り付いた幼虫を探し出して見せてくれた。
芽吹きとともに幼虫は樹上生活に戻り、さらに成長し6月ごろ蛹になり羽化するという。
二本角を持ち強面な面構えなれど所詮は青虫、落葉にくるまるとはいえこの姿で厳寒を生き延びるとは驚きである。
習作 ススキミミズク
子供の頃、この境内の榎の近く、欅の古木があり初夏になるとその洞穴でミミズクが営巣し雛を育てていた。
無風の山道にさんさんと粉雪のように降り積もる。
針のように細い葉のつけ根が、黄葉とともに弾力をなくして、ついにその軽い重さに耐えきれず散り落ちる
薄い霧の小さな粒が金色の針に軽く触れるだけで一層激しく降り積もる
荒庭がひと時華やぐ
預かった球根から 名前を知らない花が咲いた
50~60年ほど昔山林は貴重な財産だった。
山には成長が早く安定需要が見込めた落葉松を競って植林した。
植林山は40年で宝の山に変わる。
学校林に生徒が総出で植林したことを覚えている。
しかし目論見は外れた、その落葉松が伐採適齢期になったころ、世の中の木材需要は大きく変わっていた。
電柱はコンクリート製に主役を明け渡し、さらに鉄パイプ製に世代交代した。
建築用足場は軽量で組み立てやすいパイプ製に瞬く間の席巻された。
頼みの建築用材も樹脂が多く狂いやすい上に、安価な外材に押され、需要は途絶した。
それでも落葉松は年ごとに背丈を伸ばし胸囲を膨らませる。
そして麓の集落から貴重な冬の太陽を奪った。
落葉松の大木を切り倒し、山に恵みをもたらす落葉樹を植えようという動きもあるけれど、地域住民の手の追える作業ではない。
秋の山を覆う金色の黄葉はほとんど落葉松である。
蔦
紅葉
谷を渡る送電線の下を通る、すでに雪害対策工事は終わっていた。
施工を実地に見聞することはできなかったが、壮大な工事だったらしい。
特殊な器具を使うとはいえ、電線に人がまたがり、ヘリが運ぶ機材を受け取り、組み立てたと云う信じがたいサーカスまがいの空中仕事である。
暮れゆく山並
長野県中学対抗駅伝に孫の桂悟君が出場するので応援に行った。
隣接する県営松本空港から、FDA札幌便が飛立っていった。
百校をこえる中学生の駅伝競技で、競技場の周囲回る3キロを走る
桂悟君は三区を走り2位をキープし区間記録2位でタスキを渡し、精根尽きてそのまま倒れこんでしまった。
えらい よく頑張った。
結局102校中二位で、アンカーがゴールした。
帰ってからススキミミズクに挑戦 一作目よりフクロウらしくなったが、まだまだだ。
これはどうだろう
黒光りする目玉はヤブランの実である、ほめれれるのは目玉だけ。
黄葉した木立を押しつぶすように低く垂れこめた雲の間から冷たい雨が降ってくる。
ずっと晴天続きで休むことなく働きづめたと、専業農家の友人が先日そう云ってた。
雨の音を聞きながら、今日は久しぶりによい休養日になったことだろうと思った。
梅雨時の緑の雨と違い、蓑ならぬ炬燵が欲しい時節なのに、紅葉にあたる雨はめっぽう明るいから救われる。
9月初旬遠縁の結婚式でいただいた6種の多肉植物が、こんな環境でも成長している。
身の回りから蜘蛛の姿がいつの間にかいなくなった。
残った根性蜘蛛が一匹、乱れた糸に掛かった紅葉を凝視している。
落下することもなく宙に漂う紅葉