自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヒラタアブの幼虫

2013-11-23 | 昆虫

夜のキクを訪れた昆虫を確認している際,思いがけない幼虫と対面できました。ヒラタアブのそれです。このキクで見たのは二度目。 

 

どちらが頭か,どちらが肛門か,定かでないようなかたちをしています。 かたちがなんともふしぎな風で,「こりゃ,いったい何者じゃわい」と思わせる格好なのです。

 

体長8mm。からだのあちこちには突起が目立ちます。頭は尖り気味。肛門側には,赤茶色っぽい玉のようなものが二つ付いています。

幼虫のお目当ては餌。餌はアブラムシ。キクにはアブラムシがたくさんいますから,棲み心地はいいはずです。

 

せっかくなので,アブラムシを与えながら飼育観察をしようと思います。できれば,今冬,蛹になるまでを追って,来春羽化するのを見届けたいのですが……。

 


ブナ帯の森林更新(後)

2013-11-23 | 随想

ブナは,枯れなくても,コケ類に生き延びる場所を提供します。コケ類が勝手に居心地がよいので,侵入してきているに過ぎませんが。こういう場所は光が少しは入って,適当に湿り気があって,空気の流れも程々にあります。実際,写真を見ると光がわずかに差し込んでいます。コケにすれば,他の植物がいない環境として最適地なのかもしれません。 

 

剥き出しになった根を見ると,コケが数種類びっしりと付いている箇所がありました。コケは生き生きしているように見えます。 根元が乾燥しにくいので,ブナも少しは歓迎しているでしょう。

 

登山道沿いに積もった火山礫の間から,ブナの芽生えが何本も。ブナの木があれば,下は種だらけです。何千個の種が落ちても,そのうち1,2本が順調に育てばブナは現状維持になります。それが毎年繰り返されるので,ブナの一生のうち,たった1,2本が後継者になれば子孫は維持できることになります。 

 

 

ブナが倒れ,森に穴が開いたようにすっぽり開けた空間がありました。そこにも後継者が芽生えていることでしょう。 

 

 

この風景は,今はガラッと変わって紅葉の真っ盛りを過ぎているでしょう。ブナたちは厳しい冬に備えた準備を終えているはずです。