自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(それでそれでそれで)

2013-11-28 | ジャガイモ

11月28日(木)。植木鉢で密生しているジャガイモの今を見ました。原産地では原生種がこんなふうに生えているところもあるのだろうなと風景が浮かんできそうです。 

 

土が適当に軟らかくて,適当に根元を覆うという条件下では,マア,こんなふうなのでしょう。

たとえば,ストロン(匐枝)は垂直方向に潜っています。

 

たとえば,ストロンの長さが短い品種もあるのでしょう。短いなら短いなりに,地上すれすれでも塊茎を形成し始めます。いくつでも,あちこちに。

 

地表から離れていても,土がなくっても,光が届きにくいところならできます。

 

たとえば,茎は細くて頼りないので,倒れて土に覆われれば,腋芽はまちがいなく塊茎になります。下写真に写った塊茎はマッチ棒の先程度の大きさに過ぎませんが,このまま土に覆われて成長を続ければもっと大きくなることでしょう。

 

 

塊茎はストロンの先だけにできるわけではないのです。これは,11月8日付け記事『ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(番外編)』中の写真と相通じるものがあります。

植木鉢で密生したジャガイモは,塊茎についていろんなことを教えてくれています。 

 


ジャガイモの真正種子と,その周辺の話(3)

2013-11-28 | 随想

サツマイモを栽培するには,蔓苗を購入します。蔓苗は葉付きのサツマイモの蔓(茎)です。茎はサツマイモの芋から生えてきて,栽培農家の手で切り取られます。それが20本,50本といった単位で売られるのです。

わたしの子どもの頃は,父がイモを植えて蔓を切り取り,自家製の苗にしていました。昔は,どの農家もそのようにしていました。この蔓を土に挿します。すると,成長してサツマイモ本来の根・茎・葉の揃ったすがたが出現し,葉で覆われたサツマイモ畑になるというわけです。つまり,サツマイモ畑は蔓が再生を果たした結果なのです。

 

これまでに,戦時中を生き抜いた人から,当時の苦労話とともに学校の運動場がサツマイモ畑になったという話を何度も聞いてきました。それも,この植物の特性と人間生活との結び付きを示す特徴的な話題です。

サツマイモ畑程の規模ではまったくありませんが,サツマイモの葉を葉柄付きで採集してきて水栽培をするとびっくりするようなことが起こります。葉そのものを適当にハサミで切って,水に漬けておいても,同じように愉快な現象が見られます。なんと,葉柄からも葉脈からも根が伸び出すのです。芋(塊根)を切って水に浸しておくと,簡単に葉と根が出てきます(下写真)。それらはすべて,まさに再生している姿といえます。再生の強さに合点のゆく観察です。

 

誰にでもできる,ごく簡単な栽培方法ですから,来年ぜひ試みてください。