自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

サルトリイバラと生きものたち(2)

2016-05-25 | 生物

ヒメスズメバチ撤去の話をしましょう。

来園者にもしもの被害が及んではたいへん。それで撤去することに。

で,殺虫剤をふりかけるかどうか思案したのですが,結局,ハチが不在のときにそっと茎ごと切り取ることにしました。ハサミを持って行くと,幸いハチはいませんでした。作業はじつに簡単に済みました。ハチには申し訳ない。

手にした巣を見て,改めて発見がありました。かたちは,巣を屋根が守るというしくみがうまくできています。部屋を完全に密閉状態にするのでなく,上部のみを覆うことで省力化しています。


子ども部屋は8。そのうち6つに卵が産み付けられていました。


これらが孵って巣立つまで,成虫が世話をするはずだったのです。営巣場所を選ばなかった(人間との関係を考慮しなかった)結果,あるいはわたしの目にとまった結果,巣と共に卵を失うことになりました。またまた,申し訳ない。


ハチにとっては,人間もまた外敵の一つだと諦めてもらうほかありません。

ヒメスズメバチとの出合いをとおして,このハチ固有の特徴点が見えて来ました。主な点は以下のとおりです。

  • 腹部の先が黒いので,他のスズメバチと容易に区別できる。
  • 比較的おとなしい性質であり,巣に近づいた程度で襲って来ることはない。
  • 巣はとても小さい。
  • 餌として狩る対象はアシナガバチの幼虫・蛹だけである。

出合いをおろそかにせず,ふしぎを解いていくことで新たな発見が生まれます。フレッシュな事実との出合いはいつも刺激的です。