自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キクと昆虫たち(8)

2016-11-08 | 昆虫と花

11月6日(日)。深夜のこと。クロヒラタアブの幼虫が大きなアブラムシを捕らえて,ぐっと持ち上げていました。その怪力ぶりに圧倒され,ついつい画像に記録。たとえば,人間が自分の体重より遥かに重い獲物を軽々と持ち上げることを思うだけで,これは大したものだと思えてきます。種を維持することにいのちを託す,食への執念のようなものがじわりと伝わって来ます。

 
トリミングしてみました。このとき,アブラムシは脚を茎に着地させようとして,懸命に動いていました。


11月7日(月)。早朝。7時間が経過。同じ位置で同じ格好のままです。アブラムシはまだ,すこしだけ動きを見せていました。でも,助かる見込みはもうなさそう。幼虫はアブラムシの硬いからだから体液を吸い取るのですから,そのしくみのスゴサが想像できます。 


昼。半日が経過。まだ同じ位置にいて,獲物を口にしたまま。アブラムシはわずかに動いています。幼虫の体内では体液が増えているように見えます。その分,アブラムシの腹部がへこんでいる様子。食餌行動って確かにスゴイ! その脇を,他のアブラムシが通り過ぎます。何も感知しないで。たぶん。


この分だと,アブラムシを放すまで見届けることになりそうです。

この日の深夜,つまり昨夜から丸一日が経過。まったく同じ位置にいます。餌への執着心が読みとれます。アブラムシの腹がずいぶんへこんできました。もちろん,もういのちを失ったとみえ,動きが見られません。脚が完全に曲がっています。

  


この画像についてもトリミングしておきます。口の辺りの様子,体内の体液から,「生きている」ことが衝撃的に伝わってきます。このような姿を見たのは初めてです。 


11月8日(火)。朝。アブラムシは落下して見当たらず。幼虫はまだそこにいました。辛抱強いものです。さぞかし上機嫌なのでしょう。太った感じがします。


右下の幼虫は,アブラムシを食していていのちを失ったものと思われます。本記事一枚目の写真からずっとあります。ふしぎな光景です。