自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

剪定中にスギドクガが!

2016-11-30 | 昆虫

庭で剪定作業中のこと。北山杉を手入れしていて,地面を見ると,ボケの葉に妙な毛虫が。見たことのない虫なので,「これは記録に値する」と思い,近接撮影をしておきました。とくべつ長い毛に,何か意味がありそう。こういうときは不用意に指を触れないことです。


撮っている間,幼虫はほとんど,あるいはまったく動きません。毛先まで入れてシャープな画像を撮るのはたいへん。


鮮やかな色は毒を持っていることを誇示しているようにも,色で外敵を脅しているようにも思えました。背に生えた褐色毛の束のすごいこと。

 
頭部から突き出すように伸びる毛の束。確かに天敵を脅す武器のよう。


正体は,この時点では謎。

夜,検索していきました。すると,正体がわかってきました。どうやらスギドクガらしい特徴と一致します。やはり毒の持ち主だったのです。幼虫が毒を持っているのか,成虫がそうなのか,不明です。ただ,この種がスギの木にとって害虫であることが判明。春の食害が相当なものとのこと。スギが枯れたらたいへん。それにしても,退治の対象とは。

調べていくうちに,さらに新しい情報に辿り着きました。ドクガという文字が付くにもかかわらず,毒はないらしいのです。体内に蓄えられたものについては不明とも。「そうかなあ」と疑問が浮かびました。体内毒性なら,簡単に分析できるはずなのに……,

というわけで,結局謎めいた生態の持ち主のようで,人間にはわからないことがたくさんあるうちの一例です。