今回も立体地球づくりの話題です。
わたしが難関と思っていた正五角柱と正十二面体づくりに挑みました。そして,なんとか完成できました。予想していたとおり苦労だけはした思いが,今残っています。「それにしても,苦労のしがいはあったなあ」と実感。だって,段ボールでそんなものをつくろうとする酔狂人なんてまずいないでしょうし,つくるのはかなりの困難を伴いますから。
むずかしいのは,360度の球面を5等分するところです。側面1つが72度にあたるのですが,10度で分割していくと,どうしても半端が出ます。その処理がそれなりにたいへんなのです。慣れれば理屈がわかりかけてくるものの,それまでが苦労。今なら,どんな数値の端数が出ようと大丈夫なのですが……。
まずは,立体づくりに取りかかりました。段ボールに展開図を描いて切り取りました。
順にのりしろにボンドを付けて,組み立てていきます。
これで出来上がりです。
どちらの立体とも正五角形がある点が特徴。正五角形は1つの内角が108度です。これまでの立体は経線を10度間隔に引いて展開図を作成していました。ところが正五角柱だと,10度おきに引いていくとどの側面でも半端が生じるのです。そこで10度間隔にするという原則に従う限り,半端の処理を考慮しておかなくてはなりません。
めんどうなので,例えば15度のように他の角度にしても同様の壁にぶつかります。というのは,1つの側面は72度の幅を表すことになるので,半端が出ないようにするにはこの数字を整数で除すことのできる数でなくてはならないのです。しかも,地球儀との地点対応が簡単にできなくてはなりません。そんな重宝な除数は存在しません。そうなると,結局,半端を覚悟して10°間隔で経線を引くのがもっとも現実的だということになります。以上は手書きで展開図を描くときの話です。
わたしは手書きによる作図しかできないので,半端を細かく考慮しながら経線を36に分割していきました。その後,緯線もこれまでと同じやり方で書き込んでいきました。
それができると,地球儀と対比しながら地図を描きます。
地図が完成すると,それを段ボールに書き写し,さらに着色します。
おしまいに,赤道,本初子午線・日付変更線,東経135度線・西経45度線を記入して出来上がりです。
工程で手間どり苦労するのは,立体段ボールの制作と展開図の作成過程です。段ボールは切断面をすべて内側に折り込んでいくのでたいへん。それだけに,立体が出来上がれば,もう完成したようなものです。
次回は,正十二面体の地球をつくる話をしましょう。