千足古墳を出て次のこうもり塚古墳に向かう途中、県道270号線沿いにある「らーめん夢民」というお店でランチをとりました。シンプルな醤油ラーメンでおいしかったです。そして、こうもり塚古墳はもう目と鼻の先。
このあたりは「吉備路風土記の丘県立自然公園」と呼ばれ、先の造山古墳、これから行くこうもり塚古墳や作山古墳のほか、備中国分寺跡や備中国分尼寺跡など「吉備文化の発祥の地として日本の歴史を探る上でも大変興味深い重要なところ」とされています。実はこの日に訪ねる場所をGoogleMapにプロットしてみると、最後の鬼ノ城跡を除くすべてが県道270号線に沿ったところにあることに気づいていました。この道は古代の山陽道にあたる道で、この山陽道のすぐ南、現在の新幹線が走るあたりが古代の海岸線であったこともわかっており、古代吉備の権力者集団は瀬戸内海の海上交通を掌握するとともに、山陽道の陸路も押さえていたことがわかります。
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駐車場からこうもり塚古墳までは歩いてすぐ。
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田んぼの向こうのこんもりとしたところは、いかにも古墳の雰囲気。
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横穴式石室が口をあけて待っています。
こうもり塚古墳は古墳時代後期から終末期、6世紀後半の築造とされる全長約100mの前方後円墳です。玄室に入ることはできませんが、長さ2.38m・幅1.4m・高さ1.31mのくり抜式家型石棺が置かれており、まじかに見ることができます。
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石室のある後円部が二段築成というのがわかります。
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右手の高まりが前方部で、木々の向こうにある後円部がわかりにくいですね。
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造山古墳と作山古墳という吉備の二大古墳の間に位置するこのあたりには松井古墳群、江崎古墳群、緑山古墳群、稲荷山古墳群など県下屈指の大古墳群が広がっています。古墳時代後期に入ってから、こうもり塚古墳のような大きな横穴式石室を持った古墳がたくさん築造されました。とくに稲荷山古墳群には石室がのぞける古墳がたくさんあるようです。
こうもり塚古墳を見学するだけの予定でしたが、立派な五重塔が見えたので行ってみることにしました。
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江戸時代中期以降に再建された国分寺境内にそびえる五重塔は県内唯一のもので1844年頃に完成し、高さが34mあるそうです。
吉備路風土記の丘は緑がいっぱいで、のどかな田園風景の広がる気持ちのいい場所でした。遠足の小学生たちが「こんにちは」と挨拶をしてくれました。