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2016 12/12の拝観報告3 最終(先斗町歌舞練場 顔見世興行)


写真は、先斗町歌舞練場の舞台

この記事は本来もっと後なのですが、もう顔見世が終わってしまうので先に掲載することにしました。

さて13:15頃に昼食を終えて、徒歩で向かったのが先斗町歌舞練場。
13:40頃に到着。
この日は顔見世興行。
今年は南座が使えない影響で先斗町歌舞練場での開催。
五代目 中村雀右衛門さんの襲名披露でもありました。
今年の2部は大人気で、一般購入で確保するのは難しかったようです。
僕はあんとんさんが松竹歌舞伎会員でしたので、一般発売より1日早く確保してして下さいました。
いつもありがとうございます!

今回の席は1階の中央ですが、やや後方。
でも南座よりは狭いので、舞台が近いですね。

14:00に開演。
まずは菅原伝授手習鑑の車引。
話を要約すると、梅王丸(中村鴈治郎:坂田藤十郎の長男)、と桜丸(片岡孝太郎:仁左衛門の長男)と松王丸(片岡愛之助:通称 ラブりん)という三つ子がいます。
それぞれ成人して仕えたのが、
梅王丸は菅丞相(菅原道真)、桜丸は斎世親王(帝の弟)、松王丸は藤原時平でした。
しかし藤原時平の画策もあり、斎世親王は失脚、菅丞相も太宰府に流罪となり、梅王丸と桜丸は浪人となります。
この梅王丸と桜丸が道で出会うところから話は始まります。

2人が今後について話していると、吉田神社に向かう藤原時平の牛車が通ります。
梅王丸と桜丸は「お前のせいで」と激怒り(笑)!
牛車を通すまいと邪魔をします。
それを収めようと出てくるのが松王丸。

梅王丸はいわゆるザ・歌舞伎の隈取である二本隈、桜丸は大人しめのむきみ隈、松王丸はカニのような筋隈。
キャラも梅王丸は剛の正義、桜丸は柔の正義、松王丸は悪。
それぞれの違いを楽しめます。

最後は時平が登場し、梅王丸と桜丸を威圧。
松王丸の忠義に免じて二人の無礼を許し、父親の賀の祝が済んだ後に決着をつける約束をしてその場を後にします。

最後は全員で見栄を切るところなどは圧巻でした。
14:30に終了。

25分の休憩。

次は14:55~玩辞楼十二曲の内 廓文章(くるわぶんしょう)です。
以前も観たように、かなり頻繁に演じられる演目です。

場所は花街 吉田屋。
そこにみすぼらしい姿をした男が来て、玄関から主の喜左衛門(坂東彌十郎)を呼びます。
誰かと思い見たら、藤屋の若旦那の伊左衛門(片岡仁左衛門)。
伊左衛門は夕霧(中村雀右衛門)と二世を誓い合った仲でしたが、夕霧に入れあげ七百貫という借金を背負い藤屋を勘当さていました。
その伊左衛門が夕霧に一目逢おうとやって来たのを喜左衛門は哀れに思い、中に入れます。

伊左衛門は女房のおきさ(片岡秀太郎:仁左衛門の兄、愛之助の養父)も呼んで歓迎しますが、そこは放蕩息子の伊左衛門。
はしゃぐわ、わがまま放題言うわ、スネるわ(笑)。

何とか夕霧に逢えるも、心変わりしたのかとスネ倒し。
ようやく機嫌を直したところで藤屋から番頭の清七(大谷友右衛門:中村雀右衛門の兄)が来て、勘当が解けたと大喜びするというなんともまあ都合のいい話です(笑)。
最後には目出たいついでにということで、口上もありました。

どうしようもない放蕩息子の伊左衛門を仁左衛門さんが実にうまく演じてらっしゃいます。
もうどうしようもない感が満点(笑)。
今まで仁左衛門さんは敵役で観ることが多く、その凛とした威圧感、存在感はスゴイなと思っていました。
今回はそのギャップにやられましたね(笑)。
1等席なら15000円以上しますが、「そうしてでも観たいと思わせる芸がある」ということが素晴らしいです。
16:10頃に終了。

20分の休憩。

最後は16:30~:三升曲輪傘売。
新作舞踊です。
江戸で評判の傘売り(市川海老蔵)が実は石川五右衛門であるというウワサを聞きつけた追手が、傘売りを取り囲みます。
そして傘を売れと詰め寄りますが、いろいろなところから傘を取り出して追手を翻弄します。
最後は石川五右衛門の本性をさらけ出し、見栄を切る。

あちこちから大小の傘が出てきます。
ほとんど手品です(笑)。
最後にたくさんの傘の花が咲いた中央での海老蔵の見栄。
キマリました(笑)。
15分と短い演目で、16:45に終了。

外は既に薄暗かったです。

やっぱり歌舞伎は面白いですね!

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