風も強く吹く、曇りがちな日でした。
夕方、水やりでふと下を見ると、
「 ハチ君 」 が倒れていました。
足がかすかに震えています。
そっと抱き上げると、
口からは小さな水玉のようなものを出しています。
お腹もすこしふくらんだりしぼんだりと
動いてはいるのです。
瀕死の重傷のようです
どうしたものか ???
いまさら助けることもできない …
そっと土の上に返しました。
ちょうどそのころ テレビでは
最近ミツバチが市内に出てきている
という放送をしていました。
ミツバチが街に出てきたのではなく、
人間がミツバチの住んでいる世界を邪魔しているのだそうです。
そっとしておけば、襲ったり刺したりしないので、
怖がらなくて、殺虫剤をかけたり、
追っ払ったりしないでください、と
話されていました。
ミツバチは人間の生態系に切っても切れない
存在だそうです。
もし、ミツバチがいなくなったら人間も致命的な
影響を受けるのかもしれません。
花が咲くと、どこからか、その香りを嗅ぎつけて
ハチ君たちがやって来る。
せっせと蜜を集め、受粉の手助けをしてくれる。
それによって、果物が生り、野菜が育ち
おいしいイチゴやキュウリやナスを頂ける。
今日のハチ君が倒れたのはなぜだろう ?
先発隊の一人だったのかもしれない。
草花の下には土をめくると
たくさんの虫たちが生きています。
小さな庭、そして鉢植えのバラと牡丹、
こんなところにも大きないのちの育みがあるようです。
知らないところで、命は生まれ、死に
そして次の命をはぐくんでいるのです。
ちいさなミツバチは
そっと見守ってあげましょう。