本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

東福寺涅槃会

2016-03-15 21:23:18 | 住職の活動日記

3月15日、新暦での涅槃会です。

 

  

 

本堂には天井から吊られた

6メーターはあろうかという大涅槃図

ここの涅槃図は珍しく猫が描いてあります。

作者の明兆(みんちょう)が

涅槃図を描いていると裏山から

猫が現れくわえていた絵の具を

明兆に献上した。

そのお礼に猫を描きくわえた

ということのようです。

 

この時期でしょうか

珍しく三門の上まで上がれます。

 

  

 

横に三つ扉があるので三門と、

本当は空・無想・無願という三つの

門をくぐって仏さまの前へ行く

縦に並んでいたのが始まりで

それが場所をとるせいか

横に三つ扉を並べ三門としたのです。

 

東福寺も面白い形で

横の門から入りそこを90度曲がり

この蓮池を渡って三門をくぐる

というような構成です。

 

急な階段をよじ登り、

三門の中には

見事な絵が描かれています。

この絵も明朝が描かれたそうで、

迦陵頻伽や共命鳥が描かれ、

宝冠をかぶった釈迦如来を中心に

両脇には十六羅漢の仏像が

並んでいます。

 

道を求めて修行の旅にでられた

善財童子、53人の師を求めて

最後にたどり着いたのが

最初の師匠であったという物語

そこから東海道65次の話が

生まれたのです。

その善財童子は南の方を

指さしている。

そこから指南という言葉も

生まれたと、説明しておられました。

 

また共命鳥の話も

身体は一つで頭が二つ、

共にとてもいい声で鳴くので、

片方の頭が

もう片方がいなかったら

自分はもっと素晴らしく鳴けて

人から良く思われるのではないかと

片方の頭に毒を飲ませたのです。

すると自分も一緒に死んでしまった。

という話があります。

だから自分が輝くには

他を輝かせなければいけない、

とそのような説明もされていました。

 

なかなか、見事な説明で

思わず拍手が起こっていました。

 

    

 

眼下には本堂を拝めます。

 

下りるのもまた大変で

手すりを頼りに …

 

      

 

三門を真横から見ると

美しい柱の線が見事です。

 

    

 

まだ梅も咲いていて、

 

   

 

本堂を借景になかなか  

天気も良くていいお参りができました。

 

 

 

 

 

 

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