本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

勝ち負け!

2016-03-16 17:27:18 | 住職の活動日記

「2位ではいけないのですか!?」

と言った方もいらっしゃいましたが、

やはり勝負の世界では、

1位と2位とでは雲泥の差があります。

 

サッカーでも優勝したチームと

準優勝のチームとでは

その喜び方に大きな違いがあります。

片や優勝トロフィーを掲げて

紙吹雪を浴び、

準優勝と言えども素晴らしいのですが

横で優勝したチームを見守る

これほど

悔しいことはないと思います。

 

ということはわかるのですが、

シャラポワさんあなたまでもか

と、ドーピング問題は

スポーツ界を震撼させています。

 

勝つ、

ということは大切なことなのですが

先日も女子マラソン、

わずか1秒差で1位2位が決まる。

 

またづ脳の世界では、

とうとう

人口頭脳が人間を破りました。

囲碁の世界ではコンピューターは

まだまだと思われていたのですが

今度の人工頭脳が凄いところは

人間がプログラムする

ということではなく、

人工頭脳自身が自分で勉強して

いろいろな手を覚えていくという、

人間が一矢報いたものの

4勝1敗で

人工頭脳に負けてしまいました。

 

一体人間とは??

ここまで人工頭脳が発達してくると

人間とロボットとの違いは

どこにでてくるのだろうか??

もう数十年もしたら

人間の頭脳をを上まってくる

ロボットが出現してくるでしょう。

 

日本には古来

「道」という考え方があります。

剣道、柔道、弓道、茶道、華道

また政治は政道、

お医者さまは医道と、

私たちは仏道を歩めと、

道ということにおいて人間を

とらえたのです。

「衣食のうちに道心を起せ」

という言葉もあります。

 

外国の方が弓道の上段試験を

受けに見えられた。

もう何度も足を運ばれているのですが

やはり上にあがれない。

的には当たるけれども

進級できない。

やはり、姿勢もさることながら

その心のうちまで評価される。

その方はそこに魅力を

感じておられるようですが、

 

ここが普通のスポーツと違う

勝てばいいというものではない、

そのスポーツを通して

どこまで自分を克服できたか、

そこが「道」というものでしょう。

 

自分を克服できれば

人に対する思いやりも出てくる

自分をあとに、

人を先に譲ることができる

そして、自分を犠牲に出来る

人のために尽くすことができる

人の喜びを見て

自分の喜びと感じる

そこに道を修めていくということの

大きな意味があると思います。

 

「勝」という字は

お経の中にもよく出てきます。

その場合は、

勝ち負けの勝ちではなく、

「すぐれた」

という意味で使われます。

「最勝」 最も勝れたる

世俗諦・勝義諦

世の中の知恵に対して

仏教の方が勝れた智慧と

そのようにいたるところに

この「勝」という言葉は

出てきます。

 

祖父に教えられたことは

「負けるが勝ちぞ!」

人を言い負かして

勝ってはいけない、

勝ち負けでいえば、

自分の煩悩は打ち勝って

人に対しては負けていく

子ども心に悔しい思いでした

それがへなちょこな自分に

なったのかもしれませんが、

それはそれでいいのかも??

 

勝負の世界では

勝つ事は大事です。

しかし、何をしてもいいという

そこのところはよく考えなければ

いけないところではないかと

思っています。

 

 

 

 

 

 

コメント
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