本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉

2007-01-08 22:50:43 | 住職の活動日記
 『楽しむ』とは 本気で取り組むこと    
                  荒川静香

 先日テレビのインタビューのなかで、荒川さんが話しておられました。
なるほどと、この言葉を今週の言葉に早速頂きました。

 仏教でも『楽』という字はよく出てきます。
楽という字もおもしろい文字で、
地名になると「信楽」(しがらき)と読みます。
お経の中に出てくると「信楽」を(しんぎょう)と読みます。
おもしろい約束事があって、普通は「楽」(らく)と発音するんですが
「信」という字がついたときのみ「楽」を(ぎょう)と読みます。

 ニーチェのことばですか?
「始めはラクダのように、
  中はライオンのように
    最後は子どものように」
 と人間の修行の道程を表現したものだと思いますが。

ラクダとは従順ということを表しています。
 お寺でもそうですが、先ずは師匠、先輩の言う事を
 素直に聞いて実践する。「ハイ」しか許されない世界です。

ライオンとは勇猛心というか自立、独立心でしょう。
 今まで学んだ事を一人立ちして自分で実践していくことです。
 お経では「獅子吼(ししく)」といい、お釈迦さまの説法を
 ライオンが吼える、姿に譬えています。

子どもとは
 お経では「園林遊戯(おんりゆうぎ)」
 子どもが無邪気に林の中で遊ぶ姿に譬えています。
 仕事と遊びの区別がなくなった世界です。
 子どもにとっては、すべてが仕事といえば仕事ですし
 遊びといえばすべてが遊びです。

 楽しむ ということも
仕事をして休んで何かを楽しむ、ということではないような気がします。
荒川さんも スケートそのものが荒川さんそのもの
荒川さん自体がスケートになった。とそこまで
練習を積み重ねてこられたのでしょう。

だから、本気で取り組まないことには
絶対に「楽しみ」なんか出てこないということです。

 人間とは不思議な生き物で、自分の自我を克服しないと
真の自分は出てこないのです。
 本能的に心の奥底で小さな声で「本当の自分に会いたい」
と呼んでいるのですが!
なんか、不満足に生きています。
それは、本当の自分が出てきたいという、叫びなのです。
エゴの自分に死んで セルフの自分に会いたい
それが本当の喜びであり、本当の楽しみなんです。
 
 今年は小さなことでもいい本気で取り組みましょう。
そして 本当の「楽しみ」に出会いましょう。
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