本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

 『 夏炉冬扇 』

2012-08-12 17:57:26 | 住職の活動日記

 夏炉冬扇  ( かろとうせん )

  「 夏の火鉢、冬の扇子 」 

英語では、

  Useless things

  ( Like a Braizer in Summer and  a fan in Winter )

不必要なものということです。

 

 仏教のお坊さんで、自分の命日を

『 冬扇忌 』  と呼ばれた方がいらっしゃいます。

自分のあり方の深い認識から、謙られた表現でしょう。

世間の価値観からすれば、自分の考えは 

「 夏炉冬扇 」  ではないか。

 明治の時代、精神主義を唱えた方です。

   「 活動を専要とする世の中に、

     不動の心を主張するのは不都合のようであるが、

     その実は決してそうではない。

     活動が益々盛んならんとするには

     いよいよ不動の心が必要である。

     孔子は 「 四十にして惑わず 」

     孟子は 「 四十にして心を動かさず 」  と申された。

     本当に不惑とか不動ということは容易ではない。

     仏法中には不動明王というのがある。

     炎の中に立ちて剣を持ちたる相である。

     火炎のごとく猛烈な誘惑に対して、

     少しも動乱することなく、

     智慧の利剣ふるうて、

     万難を裁断するという形状である。」

 

明治時代の文章です。

格調があるように思います。 

 

 という話を思い出しつつ、

実は 「 夏炉 」  が必要になったということなのです。

高尚な話の落ちには、申し訳ないのですが、

お盆の最中は、身体の中は汗でびっしょりなのですが、

その身体でクーラーの効いている部屋に入ると、

今度は寒さを覚えてしまいます。

その繰り返しで、とうとう風邪を引いてしまったようです。

 汗を流すためお風呂に入りシャワーで首筋に

お湯を当てていたら、とても気持ちがいい  

たぶん、なんかのツボがあるのでしょう。

 そこで、やおら押入れから 「 ホッカイロ 」 を取り出し、

枕の下に当てて寝たら、とても気持ちよく

ぐっすり眠ることができました。   

 

 なんとか、今日のお参りも無事に終わりました。

要あらば、 「 夏炉 」  ということも  アリ です。

 

 変なことから、 夏炉冬扇  

ということを思い出した次第です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«    涼風献上 !! | トップ | 今週の言葉 8/13~8/1... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

住職の活動日記」カテゴリの最新記事