夏炉冬扇 ( かろとうせん )
「 夏の火鉢、冬の扇子 」
英語では、
Useless things
( Like a Braizer in Summer and a fan in Winter )
不必要なものということです。
仏教のお坊さんで、自分の命日を
『 冬扇忌 』 と呼ばれた方がいらっしゃいます。
自分のあり方の深い認識から、謙られた表現でしょう。
世間の価値観からすれば、自分の考えは
「 夏炉冬扇 」 ではないか。
明治の時代、精神主義を唱えた方です。
「 活動を専要とする世の中に、
不動の心を主張するのは不都合のようであるが、
その実は決してそうではない。
活動が益々盛んならんとするには
いよいよ不動の心が必要である。
孔子は 「 四十にして惑わず 」
孟子は 「 四十にして心を動かさず 」 と申された。
本当に不惑とか不動ということは容易ではない。
仏法中には不動明王というのがある。
炎の中に立ちて剣を持ちたる相である。
火炎のごとく猛烈な誘惑に対して、
少しも動乱することなく、
智慧の利剣ふるうて、
万難を裁断するという形状である。」
明治時代の文章です。
格調があるように思います。
という話を思い出しつつ、
実は 「 夏炉 」 が必要になったということなのです。
高尚な話の落ちには、申し訳ないのですが、
お盆の最中は、身体の中は汗でびっしょりなのですが、
その身体でクーラーの効いている部屋に入ると、
今度は寒さを覚えてしまいます。
その繰り返しで、とうとう風邪を引いてしまったようです。
汗を流すためお風呂に入りシャワーで首筋に
お湯を当てていたら、とても気持ちがいい
たぶん、なんかのツボがあるのでしょう。
そこで、やおら押入れから 「 ホッカイロ 」 を取り出し、
枕の下に当てて寝たら、とても気持ちよく
ぐっすり眠ることができました。
なんとか、今日のお参りも無事に終わりました。
要あらば、 「 夏炉 」 ということも アリ です。
変なことから、 夏炉冬扇
ということを思い出した次第です。
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