宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

ミザール10cmF6鏡筒を日本一使い倒した男

2013-08-28 18:56:00 | 撮影機材
まあ俺だが・・・

高校生の時、中免を取ってZ400FXに走るか、板橋の高橋製作所へ
行って90s赤道儀を買うかの辛い選択があった。
もちろん90s赤道儀を買った。
その足でお茶の水の誠報社へ行ってミザールの10cmF6反射も
買ったのである。
33年前、まだ宇宙が生まれたばかりの頃の話である。
その後社会人となり、RX-7を2台も買って道を誤まる・・・

そんな話しゃ~どうでもいいんだよ(V)o¥o(V)

おかげ様で仲間がTOA130だεだとポンポン買いまくる中、
初心一徹、昔の鏡で出ています・・・orz

しかし、昨今の冷却CCDやデジカメの進歩の賜物で、
この古くショボイ10cmF6ニュートン反射が息を吹き返して早3年。
改造に改造を繰り返し、遂に最終章に到達した次第である。


前置き長げーよ。

さて、

まずは筒内ツルツルのノッペリ鏡筒に正しく遮光板を入れるのだ。


正確に作図したところ、5枚必要と分かったので作った。


見ての通り、固めの段ボールをサークルカッターで切り抜き、
黒のクラフト紙をのり付け。所定の位置に空中元素固定装置にて
接着したのである。(コバ墨塗り)
筒内は全て黒の遮光紙を貼ってベルベット仕上げ。

今回はフードにも拘った。

今までのテキトーな段ボールフードとは雲泥の差の高級品なのだ。


露避け効果を高めるため、内部は全て段ボールとクラフト紙。
塗装はせず、絞り環の縁は墨塗りとした。
唯一、トップリングだけはラッカー仕上げである。
絞り環を5枚内蔵したフードを付けるとこんな感じとなる。


これで、多少のハイビーム攻撃には耐えられるであろう。


次、

すばる望遠鏡タイプの0.5mm厚卍スパイダーを本塗装。


斜鏡は1.75mmオフセットして取り付けてある。


そんで、
ココからが今回のハイライトなのである。

ショボいフォーカサーを鍛え、冷却CCDに耐えられるものとする。


このフォーカサーはリングクランプ式であり、ラックギア部の
バックラッシュと回転ガタを取り除けば結構使える。
しかしそれはデジイチまでのお話であり、
冷却CCD+フィルタホイールまでは対応できない。
そこで、ドローチューブが鏡筒内にせり出す部分を18mm延長し、
C環状にしてややバネ性状を持たせて冷却CCDが自重落下しない
ように改造した。(バネ性は極僅か)

これにより、リングクランプを完全フリーとしても自重落下
せず、ハーフクランプでのピント微調節が出来るようになった。
また、ハーフクランプから本クランプへの締め込みによるシフト
は、光軸中心から80mmの位置で50μmとなった。
2/3型CCDの対角では3.75μmで十分に許容範囲である。

回転機構部の溝は平溝 → テーパー溝に旋盤加工し、
セットビスの頭もグラインダーで丸くした。
これで締めた時の接眼部浮き上がりが無くなった。

<鏡筒のたわみ>

たわんで当たり前の0.8mm鉄板丸め安鏡筒である。
これに冷却CCDを付けた日にゃあ、鏡筒の向きによって
100~200μmは平気でたわむ。(光軸中心から80mm位置にて)

裏打ち板ならぬ、表打ち板を作った。




タッピングネジで固定


たわめるものなら、たわんでもらおうホトトギス・・・

と、

思っていたのだが、それ程甘くは無かった。
鏡筒を東西反転させて水平にした時が一番大きくたわみ、
80μmとなった。(光軸中心から80mmの位置)

Θ=tan-1(0.08/80)=3'26.26"角

2/3型CCDの対角、φ11mmでは、

⊿L=5.5tan3'26.26"=5.5μm となり、許容範囲である。

実際には全天振り回しで30μm程度しか動かなくなった。
この場合、CCD付近では3μm以下となる。
まあ、これ以上やっても仕方が無いと思われる。


先日のフィルター問題にせよ、気が済むまで一応は詰めた。
アレコレと数値化出来たので、安定して撮像できる筈である。

コメント (4)
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