開放型鉛バッテリーへのリスペクトを込めて、新規に1セットを増設しました。
まずは、何時ものRENOGY社100W(G3モデル)パネルを 直列接続 並列接続 で2枚増設。(手前の2枚)
以前、天体撮影遠征で使っていた45サイズボックスを穴だらけに加工。
中にATLAS BX 90D26L X 2個を並列接続で収納。
バッテリーケーブルは8AWG(概ね8SQ)、66Amaxですが、50A以下で使用。
(マイナスケーブルはプラスケーブルの対角側端子へ接続変更済みです。)
水素ガス発生事故防止のため、室外設置。
塗料が載らない材質のボックスですが、とりあえず白色に塗装。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePo4)のメイン電源システムに対し、
予備電源システムとして作成しました。(右側の系列)
インバータはGIANDEL_600Wを新規に導入。
50Aまで使える電圧・電流計も取り付けました。
実はこのシステム、前記事で導入した電源自動切り替え器に接続してあります。
つまり、メインの電源システムがシャットダウンした場合、自動的にこちらに切り替わるのです。
今までは(って、僅か数日ですが・・・)東京電力のコンセントが切り替え先でした。
これにより、予備電源もソーラー発電になった訳です。
さて、
今回のチャレンジは、このソーラーチャージコントローラです。
ALL POWERS 20A PWM仕様。
・ソーラーパネル電圧 <50 [V] 未満
・バッテリー側電圧12 [V] / 24[V] 自動判別
・最大パネル容量 18[V] 320[W] / 12 [V] バッテリーシステム
36[V] 430[W] / 24 [V] バッテリーシステム
・最大充電電流 20 [A]
・最大負荷端子電流 20 [A]
・充電方式 PWM
と言った仕様ですが、
最近出荷されている新型は一部仕様変更されており、電流表示が出来なかったり
鉛バッテリー専用になってしまったりしているようです。
幸い、今回購入したものはどうやら旧型機種であり、充電電流表示やバッテリー種別設定で
LiFePo4などの選択が出来ました。
この会社の説明は一応日本語語らしきもので記載されていますが、サッパリ意味不明です。
新型機種なのに充電電流表示が出来なかったり、バッテリー種別設定が出来ないのは
明らかにスペックダウンですよね。
で、
これの30A品のページを読んだら解りました。
どうやら、半導体不足で電流検出センサー部品または素子が入手困難・・・
になった模様です。取説の日本語も支離滅裂であり、英語で書いてくれた方が余程に有難い。
製品にはバラツキがあるようですが、今のところはキチンと動作しています。
特に心配だったのが100Wパネルを 2枚直列接続して36Vとしている 所です。
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+ー>PWM制御コントローラでコレやっちゃダメです!
PWM制御の動作原理を考えれば至極当然に電流は1枚分しか出て来ません。
よって、2枚並列接続に変更しました。
RENOGY ROVERシリーズであればMPPT制御なので、バッテリーが12V系ならば12V用パラメータ
で充電してくれます。果たして当該機種はちゃんとやってくれるのだろうか・・・・? <ーPWM制御ではやってくれません!
こう言った大切な情報が何も書いて無いのですよ。
似たようなバチモンが巷に溢れていますが、どうやらALL POWERSが本家? なのかな?
と言うことで、
現在晴れたり曇ったりですが、充電電流をモニターしていると6Aなどとなっています。
つまり、100Wパネルの2枚直列接続が有効に機能していると言うことになります。
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+ー>12Vバッテリーシステム+PWM制御において、
18Vパネルの直列接続は無意味であるだけでなく危険です。
もしMOSFETがぶっ壊れたら2倍以上の充電電圧がバッテリーに掛かり、
BMSを持たない鉛バッテリーは電解液が沸騰して事故になります!
いろいろ調べたところ、RENOGY社のパネルインストールマニュアルに
”12VシステムのPWM制御ではパネルを直列接続するな” との記載が
有りました。気付いて良かったです。
危なかった・・・
100Wパネル1枚だと4.9A程度ですからね。
うん、どうやら正常に稼働しているようです。
<追記_2022/09/25>
やはり100Wパネル X 2枚直列での運用はダメです。
本日晴天時の充電電流を測定した結果、パネル1枚でも2枚直列でも殆ど変わりませんでした。
この辺りがRENOGY社のROVER 20A(MPPT)との大きな違いでしょうね。
仕方がないので、パネルを並列接続するコネクターをRENOGYへ発注しました・・・トホホ
<追記_2022/09/28>
100Wパネルを2枚並列接続に変更したところ、下記のように正常動作となりました。
・パネル2枚分の合計電流値で充電が出来るようになった。
・パネル入力端子電圧が21.1[V]となり、バッテリー充電端子電圧が14.2[V]となっている。
最大充電電圧14.2[V]で2時間充電後、13.7[V]のフローティング制御へ移行する仕様だが、
現在14.2[V]で1.0[A]まで下がって来た。(14.2[V]になって1時間半後)
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+ー>100Wパネル2枚直列接続で使ったときは、パネル入力端子電圧が12.6[V]など、
バッテリー充電端子電圧と同一となっていました。これは何故??と
思っていましたが、そもそも12Vバッテリーシステム+PWM制御で
18V 100Wパネルを2枚直列で運用すること自体がNG.だったので、
並列にして21.1[V]というパネル本来の電圧が出てきてホッとしました。
・鉛バッテリー(B01)の最大充電電圧は14.2[V]で2時間と取説に書いてありますが、
正確なテスターで測ると14.4[V]でした。0.2[V]高いようです。
許容範囲とは思います。
・負荷端子(LOAD)出力電圧も14.4[V]出力されるので要注意である。
LCD設定項目に バッテリー表示->ランプ表示 12.6[V]などとあるが、
これは低電圧遮断後の負荷出力復帰電圧であり、負荷端子への出力電圧設定ではない。
勘違いしやすいので要注意である。
・負荷端子(LOAD)の過電流遮断感度が非常に高いので使い難い。
例えばシガープラグ仕様のスマホ充電器を接続して充電を開始すると、
即、過電流遮断機能が働いで出力OFFになり、電球マークが点滅する。
約30秒後に再度自動的に出力ONとなり、今度は充電が開始される。
また、セルスター社の150W矩形波インバータ程度でも全く電流出力されない。
特にインバータを接続されないように保護が過剰に設定されている模様。
逆に、ニクロム線ヒータなどの抵抗負荷では問題なく電流が出てくる。
600[mA]流れるニクロム線ヒータを接続したところ、何の問題もなく使えた。
まあ、そう言う仕様だとは思うが、壊れている? との誤解を受けやすいかも・・・
予備電源システムとして組んでみましたが、晴れた日中であればメイン使用も十分に可能です。
仕事場の環境では常時60W程度しか消費しないため、12Vシステムでは概ね5Aです。
晴れていれば5A以上の充電電流が入って来るため、開放型鉛バッテリーを常時満充電使用できる
と言うことです。電流計と電圧計で常時モニターできるのは有難い。
12Vまで下がると50%容量と言えるので、常時70%容量目途で使えば余裕です。
直ぐに12.6V以上まで復活します。
そうなると、開放型鉛バッテリーでも5年間程度持ちそうです。
ATLAS BX 90D26LはMPVやアテンザで沢山使って来たバッテリーです。
車載だと3年半が寿命で、4年辺りで突然死します。
歴代全部その程度でした。(6個ぐらい使った結果)
今回は、ほぼフローティング使用となるため、4年半~5年程度は使えるでしょう。
バッテリー液のチェックが出来るのも良いですね!
ACDelco MF31などのセミディープサイクルバッテリーだと、液がカラカラに減っても
解らないために事故を起こす可能性が高いです。
特に並列接続で使っている場合、特定のセルが劣化して死んでいても気付き難い。
コレ、かなり危ない状態なのですよ。
昨今は爆発し難いリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePo4)が一番使いやすいですが、
開放型のクラシカルバッテリーだって、使い方によっては十分に役立ってくれます。
なお、
今回のシステム価格は¥65,000.-程でした。(購入品価格)
・ATLAS BX 90D26L x 2個
・GIANDEL 600W インバータ
・ALL POWERS 20A ソーラーチャージャー
・50A電流・電圧計
・ハーネス関連一式
・RENOGY 100W(G3 model)パネル x 2枚
・60Aヒューズ
・塗料他雑多なモノ一式
まあ、
安いちゃー安い。
あまりに晴れないもんで、天体撮影はどっかへ吹っ飛んでしまいました。
そろそろ遠征に行きたいぞ~~!!
------- 2024/01/11 追記 --------
1年4箇月使用し、上記鉛バッテリーがお亡くなりになっていることに気付きました。
・0.2C運用でも1h30m程度しか持たない。
・鉛バッテリー専用充電器ACdelco AD-0002の15A充電でも3h程で満充電になってしまう。
・比重は全セル1.27で正常値。
・解放電圧12.8 [V] の正常値。
つまり、
いつの間にかサルフェーションが進んでしまい、本来の容量に対して20%程度の容量になっていました。
本来は112Ah x 12[V] = 1344 [Wh] / 5HR なのですが、22Ah x 12 [V] = 264 [Wh] 程度に激減!!
3~4回のDOD100%放電をやりましたが、実験なので即刻再充電をしていました。
常時は100W SOLAR充電を接続したままにしてあります。
さて、
いくら非ディープサイクル開放バッテリーと言えども、ここまで一気に劣化するものなのでしょうか?
問題なのは全セルの比重が1.27の正常値であるにもかかわらず、容量が20%まで激減したことです。
<考察>
・非ディープサイクルバッテリーは1度でもDOD100%放電をやってしまうとお亡くなりになるのか?
即刻再充電をやってもダメなのか?
・やや放電気味状態は確かにあったが、予備バッテリーゆえ基本的には満充電運用であった。
それなのに上記の有様・・・なんで?
・自動車用スターターバッテリーなので、毎日200A位の大電流を流し、サルフェーション飛ばしを
やらないと劣化するのか?
・常時数アンペアしか使わず、満充電状態で置いておくとサルフェーションが進行してしまうのか?
まあ、
いずれにしても、これでは予備バッテリーの役目を果たせません。
原因を知りたいですが、知ったところで再度鉛バッテリーを購入するつもりはありません。
私的、鉛バッテリーの終焉ですね。
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