宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

開放型鉛バッテリーだって、使い方によっては有り。

2022-09-22 11:44:35 | オフグリッド発電への道

開放型鉛バッテリーへのリスペクトを込めて、新規に1セットを増設しました。

まずは、何時ものRENOGY社100W(G3モデル)パネルを 直列接続 並列接続 で2枚増設。(手前の2枚)

以前、天体撮影遠征で使っていた45サイズボックスを穴だらけに加工。

中にATLAS BX 90D26L X 2個を並列接続で収納。

バッテリーケーブルは8AWG(概ね8SQ)、66Amaxですが、50A以下で使用。

(マイナスケーブルはプラスケーブルの対角側端子へ接続変更済みです。)

水素ガス発生事故防止のため、室外設置。

塗料が載らない材質のボックスですが、とりあえず白色に塗装。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePo4)のメイン電源システムに対し、

予備電源システムとして作成しました。(右側の系列)

インバータはGIANDEL_600Wを新規に導入。

50Aまで使える電圧・電流計も取り付けました。

実はこのシステム、前記事で導入した電源自動切り替え器に接続してあります。

つまり、メインの電源システムがシャットダウンした場合、自動的にこちらに切り替わるのです。

今までは(って、僅か数日ですが・・・)東京電力のコンセントが切り替え先でした。

これにより、予備電源もソーラー発電になった訳です。

さて、

今回のチャレンジは、このソーラーチャージコントローラです。

ALL POWERS 20A PWM仕様。

  ・ソーラーパネル電圧 <50 [V] 未満

  ・バッテリー側電圧12 [V] / 24[V] 自動判別

  ・最大パネル容量 18[V] 320[W] / 12 [V] バッテリーシステム

           36[V] 430[W] / 24 [V] バッテリーシステム

  ・最大充電電流 20 [A]

  ・最大負荷端子電流 20 [A]

  ・充電方式 PWM

と言った仕様ですが、

最近出荷されている新型は一部仕様変更されており、電流表示が出来なかったり

鉛バッテリー専用になってしまったりしているようです。

幸い、今回購入したものはどうやら旧型機種であり、充電電流表示やバッテリー種別設定で

LiFePo4などの選択が出来ました。

この会社の説明は一応日本語語らしきもので記載されていますが、サッパリ意味不明です。

新型機種なのに充電電流表示が出来なかったり、バッテリー種別設定が出来ないのは

明らかにスペックダウンですよね。

で、

これの30A品のページを読んだら解りました。

どうやら、半導体不足で電流検出センサー部品または素子が入手困難・・・

になった模様です。取説の日本語も支離滅裂であり、英語で書いてくれた方が余程に有難い。

製品にはバラツキがあるようですが、今のところはキチンと動作しています。

 

特に心配だったのが100Wパネルを 2枚直列接続して36Vとしている 所です。

                     

                     +ー>PWM制御コントローラでコレやっちゃダメです!

                        PWM制御の動作原理を考えれば至極当然に電流は1枚分しか出て来ません。

                        よって、2枚並列接続に変更しました。

 

RENOGY ROVERシリーズであればMPPT制御なので、バッテリーが12V系ならば12V用パラメータ

で充電してくれます。果たして当該機種はちゃんとやってくれるのだろうか・・・・? <ーPWM制御ではやってくれません!

こう言った大切な情報が何も書いて無いのですよ。

似たようなバチモンが巷に溢れていますが、どうやらALL POWERSが本家? なのかな?

 

と言うことで、

現在晴れたり曇ったりですが、充電電流をモニターしていると6Aなどとなっています。

つまり、100Wパネルの2枚直列接続が有効に機能していると言うことになります。 

        

        +ー>12Vバッテリーシステム+PWM制御において、

           18Vパネルの直列接続は無意味であるだけでなく危険です。

           もしMOSFETがぶっ壊れたら2倍以上の充電電圧がバッテリーに掛かり、

           BMSを持たない鉛バッテリーは電解液が沸騰して事故になります!

           いろいろ調べたところ、RENOGY社のパネルインストールマニュアルに

           ”12VシステムのPWM制御ではパネルを直列接続するな” との記載が

           有りました。気付いて良かったです。

           危なかった・・・

 

100Wパネル1枚だと4.9A程度ですからね。

うん、どうやら正常に稼働しているようです。 

 

<追記_2022/09/25>

 やはり100Wパネル X 2枚直列での運用はダメです。

 本日晴天時の充電電流を測定した結果、パネル1枚でも2枚直列でも殆ど変わりませんでした。

 この辺りがRENOGY社のROVER 20A(MPPT)との大きな違いでしょうね。

 仕方がないので、パネルを並列接続するコネクターをRENOGYへ発注しました・・・トホホ

<追記_2022/09/28>

 100Wパネルを2枚並列接続に変更したところ、下記のように正常動作となりました。

  ・パネル2枚分の合計電流値で充電が出来るようになった。

  ・パネル入力端子電圧が21.1[V]となり、バッテリー充電端子電圧が14.2[V]となっている。

   最大充電電圧14.2[V]で2時間充電後、13.7[V]のフローティング制御へ移行する仕様だが、

   現在14.2[V]で1.0[A]まで下がって来た。(14.2[V]になって1時間半後)

    |

    +ー>100Wパネル2枚直列接続で使ったときは、パネル入力端子電圧が12.6[V]など、

       バッテリー充電端子電圧と同一となっていました。これは何故??と

       思っていましたが、そもそも12Vバッテリーシステム+PWM制御で

       18V 100Wパネルを2枚直列で運用すること自体がNG.だったので、

       並列にして21.1[V]というパネル本来の電圧が出てきてホッとしました。

  ・鉛バッテリー(B01)の最大充電電圧は14.2[V]で2時間と取説に書いてありますが、

   正確なテスターで測ると14.4[V]でした。0.2[V]高いようです。

   許容範囲とは思います。

  ・負荷端子(LOAD)出力電圧も14.4[V]出力されるので要注意である。

   LCD設定項目に バッテリー表示->ランプ表示 12.6[V]などとあるが、

   これは低電圧遮断後の負荷出力復帰電圧であり、負荷端子への出力電圧設定ではない。

   勘違いしやすいので要注意である。

  ・負荷端子(LOAD)の過電流遮断感度が非常に高いので使い難い。

   例えばシガープラグ仕様のスマホ充電器を接続して充電を開始すると、

   即、過電流遮断機能が働いで出力OFFになり、電球マークが点滅する。

   約30秒後に再度自動的に出力ONとなり、今度は充電が開始される。

   また、セルスター社の150W矩形波インバータ程度でも全く電流出力されない。

   特にインバータを接続されないように保護が過剰に設定されている模様。

   逆に、ニクロム線ヒータなどの抵抗負荷では問題なく電流が出てくる。

   600[mA]流れるニクロム線ヒータを接続したところ、何の問題もなく使えた。

   まあ、そう言う仕様だとは思うが、壊れている? との誤解を受けやすいかも・・・

 

予備電源システムとして組んでみましたが、晴れた日中であればメイン使用も十分に可能です。

仕事場の環境では常時60W程度しか消費しないため、12Vシステムでは概ね5Aです。

晴れていれば5A以上の充電電流が入って来るため、開放型鉛バッテリーを常時満充電使用できる

と言うことです。電流計と電圧計で常時モニターできるのは有難い。

12Vまで下がると50%容量と言えるので、常時70%容量目途で使えば余裕です。

直ぐに12.6V以上まで復活します。

そうなると、開放型鉛バッテリーでも5年間程度持ちそうです。

ATLAS BX 90D26LはMPVやアテンザで沢山使って来たバッテリーです。

車載だと3年半が寿命で、4年辺りで突然死します。

歴代全部その程度でした。(6個ぐらい使った結果)

今回は、ほぼフローティング使用となるため、4年半~5年程度は使えるでしょう。

 

バッテリー液のチェックが出来るのも良いですね!

ACDelco MF31などのセミディープサイクルバッテリーだと、液がカラカラに減っても

解らないために事故を起こす可能性が高いです。

特に並列接続で使っている場合、特定のセルが劣化して死んでいても気付き難い。

コレ、かなり危ない状態なのですよ。

昨今は爆発し難いリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePo4)が一番使いやすいですが、

開放型のクラシカルバッテリーだって、使い方によっては十分に役立ってくれます。

なお、

今回のシステム価格は¥65,000.-程でした。(購入品価格)

 ・ATLAS BX 90D26L x 2個

 ・GIANDEL 600W インバータ

 ・ALL POWERS 20A ソーラーチャージャー

 ・50A電流・電圧計

 ・ハーネス関連一式

 ・RENOGY 100W(G3 model)パネル x 2枚

 ・60Aヒューズ

 ・塗料他雑多なモノ一式

まあ、

安いちゃー安い。

あまりに晴れないもんで、天体撮影はどっかへ吹っ飛んでしまいました。

そろそろ遠征に行きたいぞ~~!!

 

------- 2024/01/11  追記 --------

 

1年4箇月使用し、上記鉛バッテリーがお亡くなりになっていることに気付きました。

 ・0.2C運用でも1h30m程度しか持たない。

 ・鉛バッテリー専用充電器ACdelco AD-0002の15A充電でも3h程で満充電になってしまう。

 ・比重は全セル1.27で正常値。

 ・解放電圧12.8 [V] の正常値。

つまり、

いつの間にかサルフェーションが進んでしまい、本来の容量に対して20%程度の容量になっていました。

本来は112Ah x 12[V] = 1344 [Wh] / 5HR なのですが、22Ah x 12 [V] = 264 [Wh] 程度に激減!!

3~4回のDOD100%放電をやりましたが、実験なので即刻再充電をしていました。

常時は100W SOLAR充電を接続したままにしてあります。

さて、

いくら非ディープサイクル開放バッテリーと言えども、ここまで一気に劣化するものなのでしょうか?

問題なのは全セルの比重が1.27の正常値であるにもかかわらず、容量が20%まで激減したことです。

 

<考察>

 

・非ディープサイクルバッテリーは1度でもDOD100%放電をやってしまうとお亡くなりになるのか?

 即刻再充電をやってもダメなのか?

・やや放電気味状態は確かにあったが、予備バッテリーゆえ基本的には満充電運用であった。

 それなのに上記の有様・・・なんで?

・自動車用スターターバッテリーなので、毎日200A位の大電流を流し、サルフェーション飛ばしを

 やらないと劣化するのか?

・常時数アンペアしか使わず、満充電状態で置いておくとサルフェーションが進行してしまうのか?

 

まあ、

 

いずれにしても、これでは予備バッテリーの役目を果たせません。

原因を知りたいですが、知ったところで再度鉛バッテリーを購入するつもりはありません。

私的、鉛バッテリーの終焉ですね。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 太陽光電源切り替え器 | トップ | Askar FRA300 Pro F5.0とK-1Ⅱ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

オフグリッド発電への道」カテゴリの最新記事